笑顔が爽やかな「あきさみよー金城」さん。芸人活動中は「キンピラゴボウ・たいが」さんです 画像を見る

お笑い芸人さんが電器店などで実演販売を行っている、と聞きました。友人が見かけたそうです。楽しいトークに引き込まれたそうなので、詳細が知りたいです。
(浦添市 ぺこぱん)

 

新商品やキャンペーンを声掛けして説明するスタッフ、いますよね。普段は通り過ぎがちな調査員ですが、芸人さんがやっていたら面白そうです。

 

芸人活動と相乗効果

 

調査員が現場に到着すると「沖縄電力・オール電化体験」と書かれたブースで、「ガラポンしませんか?」とお客さまに声を掛けている男性がいました。エプロンの胸元に「実演笑売士・あきさみよー金城」という名前を発見。この人でしょうか!? しばらく観察しましょう。

 

「キッチン用品をプレゼント中」、「商品券がまだ当たっていません」など元気な彼の声に引かれ、ファミリーや女性たちが次々ガラポン抽選会に参加。賞品を受け取りながら「ご自宅はオール電化ですか?」、「ポイントがたまるおきでんmore-E(モアイー)は知ってます?」といった彼の質問に答え、光熱費節約のシミュレーションを申し出たりアンケートに回答したりなど、コミュニケーションを続けていました。

 

あきさみよー金城さんすごい! 観察した約30分で20組近く接客。押し付けのない自然な会話で、お客さまは笑顔で帰っていきました。吸引力があり楽しくやり取りできる技量を持つ彼は芸人さんに違いないと確信し、話を聞くことに。

 

近くで会うと彼は演芸集団FEC所属のコンビ「キンピラゴボウ」のたいがさんだとすぐ分かりました。お笑い界の期待の若手で、ラジオカーのレポーターとしても活躍中です。実演販売士ならぬ笑売士として活動する時は「あきさみよー金城」と名乗るそうです。

 

「実演笑売士はお笑いの仕事のシチュエーションとは全く違う、台本がないフリースタイル。最初は不安でした。ウチナーンチュはシャイな方が多く、興味がありそうな方の表情や雰囲気が徐々に分かってきました。改善点はありますが少しずつコツをつかんできたので、情報伝達を意識して企業スタッフさんに教わりながら臨機応変にやっています」と金城さん。協業先である実績豊富な東京の会社から実演笑売士のノウハウを学び、沖縄電力の研修も受けたそうです。

 

環境や集客人数に合わせて対応できるのは芸人の強みだと考える金城さんは、「コロナ禍のマスクでお客さまの表情がよく見えずに残念ですが、ゆくゆくはモニター前に人を集めるイベント形式で実演したいです」と展望を語ります。続けて「実演笑売士は沖縄ではこれから開拓する仕事。面白いトークでしっかり販売するアイツは芸人らしいと、相乗効果で注目されたいですね」と目標も語りました。

 

2~3倍の集客

 

実はこの実演笑売士はお笑い事務所FECの新しい取り組み。現在6人の笑売士がいるそうですが、リーダーは金城さん。マネージャーさんいわく、「笑売士も人を楽しませるエンターテインメントの仕事。舞台同様現場での経験で成長しますし、クライアントさんとのチーム感も重要です。集客や販売で結果を残す責任もあるので、実感しながら技術を磨き広げていきます」

 

沖縄電力販売本部スタッフによると笑売士の効果は絶大。「通常の2~3倍集客しています」と教えてくれました。

 

芸人としてのキャリアを発揮し、楽しく分かりやすくサービスや商品の特徴を教えてくれる実演笑売士。企業と私たちのつなぎ役として今後身近な存在になりそうです。あきさみよー金城さんの実演調査を終え、「面白かった~」とにこやかになっている自分に気付いた調査員でした。
(2021年2月18日 週刊レキオ掲載)

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