松葉杖で歩く羽生(写真:アフロスポーツ) 画像を見る

《NHK杯にむけて全力で取り組んできましたが、たった一度の転倒で、怪我をしてしまい、とても悔しく思っています》

 

文面から苦悩がにじむ――。

 

11月4日、羽生結弦(26)が右足関節靱帯損傷によりNHK杯を欠場することが、日本スケート連盟を通して発表された。12日の開催まで1週間を切った段階での悲報に、ファンの間でも動揺が広がっている。

 

「NHK杯は羽生選手の今シーズン初戦になるはずでした。ベールに包まれている新ショートプログラム(SP)もここでお披露目されるはずで、ファンや関係者たちの期待も高まっていたんですが……」(スポーツ紙記者)

 

NHK杯でお披露目されるはずだったのは新SPだけではない。

 

「羽生選手のいまの最大の目標といえば、4回転アクセルの成功です。昨シーズン時点では“本当に跳べるのかな……”と本人も弱気になっていたことすらある前人未到のジャンプですが、いよいよ“跳べる!”と確信を抱き始めていたようなんです。最近の取材でも、『4回転半をしっかりNHK杯で決めたいっていう気持ちがいちばん大きいです』とはっきり口にしています。おそらく練習ではほぼ完成していて、あとは試合で挑戦、という状態だったのでしょう。長年の悲願をかなえる目前でのケガですから、悔しさはひとしおだと思います」(フィギュア関係者)

 

最初の師として幼少期の羽生をコーチした山田真実さんは今回のケガについてこう言葉を寄せる。

 

「スポーツにケガは付きものとはいえ、指導者としては選手がケガをするたびに胃の縮む思いでいます。いま、結弦や周囲の方々もきっと同じ思いでいるのでしょう。NHK杯は私も結弦の応援に駆けつけるつもりだったので残念ではありますが、いまは彼の復活を信じて静かに待とうと思います。ケガは必ず治るから、焦らず次に備えてほしいですね。とはいえ、やはり心配でたまらないというのが正直なところです」

 

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