準々決勝でボールボーイの頭をなでる大谷(写真:アフロ) 画像を見る

「今回の活躍で大谷選手のCM出演料は1億5千万円から倍増し、日本人最高額の3億円に。それでも100社以上がオファーしているそうです」(広告代理店関係者)

 

13日間の激闘を勝ち抜き、14年ぶり3度目の世界一となった侍ジャパン。今大会MVPにも選ばれ大会史上初の“二刀流”として出場した大谷翔平選手(28)の大活躍は日本中を歓喜、熱狂させた。決勝戦の平均視聴率は42.4%を記録。WBC優勝の経済効果は600億円といわれている。そして練習を積み重ね、汗と涙を流して得た報酬を、選手たちはすでに未来へとつなげていた――。

 

「優勝直後、米国放送局・FOXのインタビューを受けた大谷選手は自らを“日本の田舎”出身だと語り、子供たちへ『頑張ればこういうところでできるんだという(ことを示せた)のは、本当によかったんじゃないかと思います』とメッセージを送っていました」(スポーツ紙記者)

 

大谷はかねて積極的に子供たちへの支援を行っていた。生まれながらに心臓病を患っていた“翔平ちゃん”との交流も――。

 

2人の翔平が顔を合わせたのは’19年1月、大阪府内の病院でのことだった。心臓機能が低下する拡張型心筋症のわが子に応援メッセージだけでもと母・静葉さんが打診したところ、大谷は大阪までお見舞いにやってきたのだ。

 

後日、その面会の様子が報じられると、全国から翔平ちゃんへの寄付は急増。残念ながらその2カ月後、翔平ちゃんはわずか1歳8カ月で天国へ旅立ったが、集まった多額の寄付は心臓移植を待っていた子供2人の命を救うために役立てられた。静葉さんは言う。

 

「日本代表初戦の翌日の3月10日が、翔平の命日でした。あの大谷選手が出場して、日本で久しぶりに試合をするなんて、不思議な巡り合わせを感じますね。

 

今は翔平の下に弟が2人生まれWBCは3兄弟みんなで観戦していました。翔平の写真をテレビに向け、その隣に次男と三男が並んで座って。次男は翔平の写真の角度を調節しながら『翔平兄ちゃんこれでちゃんとテレビ見える?』と声を掛けながら見ていました。優勝の瞬間はもう家中が大騒ぎでした。翔平もお空にいる子供たちとジュースで乾杯して、走り回りながら喜びを爆発させているだろうなって思います」

 

また大谷は京都の会社「今与」とコラボしてペンダントとピンブローチを開発しており、3月から同社が発売しているが、その売り上げの一部は小児がん患者の支援団体などに寄付されることになっている。本誌の取材に同社の担当者はこう語る。

 

「大谷選手は二刀流で世界のトップにチャレンジしており、弊社のブランド・SHINCAもラボグロウンダイヤモンド(合成ダイヤモンド)という新素材でチャレンジしているという共通点から、コラボした商品開発に至りました。また一緒に社会貢献ができればという思いから『公益財団法人がんの子どもを守る会』様、『特定非営利活動法人ジャパンハート』様への寄付が実現しました」

 

大会期間中には、大谷のこんな姿もファンに目撃されていた。

 

「契約の問題か、大谷選手は大人には絶対にサインしないけれど、宿泊先の都内のホテルで子供にはサインを書いてあげていました」

 

「二刀流で世界一」のような夢をかなえる子供たちが、次々と現れる明るい日本の未来を信じて――。

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