■選手らの目撃証言から1日に食べるゆで卵の数を推定してみると…
では、現在の肉体を作り出した“翔平メシ”とは何なのか。スポーツ記者たちは「卵だ」と口をそろえる。
「メジャー1年目のときは自炊していて、よくオムレツを作っていると言っていました。一時期、卵が合わないという血液検査の結果が出て、卵断ちをしたそうですが、最近は復活しているようですね。先日、エンゼルスの試合を見に行ったときも、目玉焼きを食べていました」(小谷さん)
「Number Web」では、WBCに出場した宇田川優希選手によって《大谷さんの食事、すごかったです。試合前は、ご飯大盛りに、ゆで卵5、6個に、ブロッコリーとサラダだったので、何をおかずにして食べるんだろう? と思って。あとはパスタも塩で食べるという話をしていました》との目撃談が伝えられた。
さらに、中日の髙橋宏斗選手はテレビ出演した際に、大会期間中の大谷選手が“毎食3個はゆで卵を食べていた”と証言。日ハムの伊藤大海選手も「道新スポーツ」の連載で、大谷選手が間食にゆで卵4個を食べていたと語っている。合計すると1日16個はゆで卵を食べていることに!
ブログで“翔平メシ”を分析している管理栄養士の麻生れいみさんが解説する。
「卵は完全栄養食。こんなにたくさん食べるのも、100キロ近い大谷選手の体格があってこそ。高タンパクであるため、筋肉維持に最適といえます。卵と一緒にご飯を食べるというのは、ご飯の糖質がエネルギー源になるからでしょう」
ちなみに、野菜類では「トマトが苦手なため、ブロッコリーで代用しているそうです」(スポーツ紙記者)という声も。
「ブロッコリーはビタミンC、ビタミンB群、ミネラルが豊富で、食べたものをエネルギーに換えてくれます」(麻生さん)
■甘い食べ物への欲求と闘う日々
試合前には、ベンチでバナナを食べる姿も見かけられている。
「卵には含まれていない抗酸化作用のあるビタミンCが豊富で、免疫力向上や疲労回復に役立ちます。大坂なおみ選手もバナナをエネルギー補給食にするほど、アスリートが重宝する食材です。
そのほかにも、ベンチではアスリート向けのワッフルや、ガム、ヒマワリの種を食べていますね。ガムはかむことで血流がよくなり集中力を高める効果が期待できます。ヒマワリの種にも、リラックスして集中力を高める効果のあるセロトニンの分泌などを促す作用があるのです」(麻生さん)
そんな大谷選手の好きなアメリカンフードはハンバーガーチェーン「イン・アンド・アウト」のハンバーガー。
’18年のメジャー移籍時からお気に入りのようで、当時食べていたのは「プロテイン・スタイル」という、パンの代わりにレタスで肉を挟んだ、健康志向の炭水化物抜きバーガーだったという。
こうしたストイックな食生活も、軽々とこなせているわけではない。大谷選手は、自身が出演する雪肌精のCMのメイキング動画で、「甘いものだったりとか、そういうのは(あまり食べないように)……まぁ、欲と闘ってます」と、食欲との闘いを明らかにしている。
「大谷選手はじつは昔から甘党。高校時代はクレープがかなり好きだったそうです」(小谷さん)
大谷選手の驚異の肉体は、ふだんの食事から間食にいたるまで、ストイックな食事管理によって作られているのだ。