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「主婦歴が長い人ほど自己流のやり方が当たり前になり、考えずに続けていることが多いんです。そういう人こそ習慣を1つ変えるだけで、劇的に料理の効率が上がります」

 

そう話すのは、過去にも本誌に登場し、台所仕事を効率化するコツを教えてくれた料理家の高木ゑみさん。今月発売された新著『やる気の続く台所習慣40』(扶桑社)では、料理教室の生徒から寄せられた悩みを解決するアイデアを提案し、注目を浴びている。

 

終わりなき台所仕事、「毎日、楽しくやってます!」なんて人……いませんよね。でも“あとでラクする習慣”を取り入れれば、そんな毎日も夢じゃないんです! そんな“あとでラクする習慣”を高木さんが教えてくれた。

 

【1】調理作業は“横割り”に

 

「複数のメニューを作るのに疲れてしまう人は、料理を一品ごと、下ごしらえから加熱まで“縦割り”で進めていませんか? 別の料理に取りかかるたびに冷蔵庫から食材を出したり、包丁やまな板を洗い直したりと、余計な作業が発生しています。基本の作業を“横割り”で進めれば意外なほど短縮できますよ」(高木さん・以下同)

 

すべての作業を「(1)洗う・むく・切る、(2)下味をつける、(3)加熱する、(4)味つけをする、(5)保存する」の5つに分解する。これらを一気にやるのではなく、一日の空いた時間に少しずつ進めればいい。

 

「たとえば、朝家族が起きてくる前の空き時間に(1)を、家族が出かけた後に(2)を終わらせておく。あとは夕飯前に(3)と(4)をして完成させ、食事の前後の空いた時間に密閉容器などに詰めて(5)が終了。作業がスムーズに進むので、ストレスもありません」

 

【2】“ついで”仕込み

 

下ごしらえは、ふだんの調理のついでに済ませたい。

 

「カレーのにんじんを乱切りにするついでに、翌朝の味噌汁用に一部をいちょう切りに、サラダ用に一部を千切りに。カレーを煮込みながら、翌日の料理に使うひき肉に下味をつけて炒めたり、翌日に使う野菜をゆでたり。次の食事の下ごしらえを一緒にしておくだけで、全体の調理時間に大きな差が出ます」

 

【3】置き換え調味料

 

「調理中に『あれがない!』と気づいても、わざわざ買いにいくのは面倒。そんなとき基本の調味料で代用するワザを覚えておくと便利です」

 

たとえば、みりんの代用は、砂糖と酒を1対3で混ぜる。バルサミコ酢の代用は、酢に砂糖少々を混ぜて軽く煮詰める。生クリームの代用は、牛乳と溶かしたバターを混ぜる。知っていれば、切らしたときも買い物に行かずに済む。

 

【4】洗い物は食前に一気に

 

「シンクでものを洗うべきタイミングは(1)手を洗うとき、(2)食材や必要な調理道具を洗うとき、(3)手があいてほかにやることがないとき、の3つだけ。それ以外のときにちょこちょこ洗うと、そのたびに洗剤をつけたり、飛び散った水気を拭いたりと手間が多くなり、かえって時間がかかります。調理の手があいたら食器を洗うよりも、毎日の下ごしらえに時間を使いましょう。残った洗い物は調理の終了直後に一気に片付けたほうが、料理全体の効率も上がります」

 

【5】日々の4分間掃除

 

汚れは時間がたつほど頑固になる。「大掃除のときに」と先送りにすると、余計な手間がかかるハメに。

 

「たとえば、換気扇は大掃除でもいちばん手間がかかる場所の1つですよね。でも料理教室を開いているわが家でも、大掃除では洗いません。2週間に1回、4分間掃除するだけでその必要はなくなるからです。外した換気扇の羽根と換気扇の内側に、セスキ炭酸水をスプレーして拭き、さっとすすぐだけ。油料理をよくする家庭は1カ月に1回、そうでない家庭なら3カ月に1回程度で十分です」

 

ほかにも冷蔵庫の掃除は週に1度の買い出し前、排水パイプや引出しの拭き掃除などは朝早く起きたときなど決めて、日々のちょこちょこ掃除を習慣にしよう。

 

「今日の自分のちょっとした作業が、明日の私をラクにしてくれます。めんどくさがりな人ほど、台所仕事がはかどるようになりますよ!」

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