「銀座で凱旋パレードが行われた翌日の8月21日、レスリングの吉田沙保里さんが来院してくれました。私にも本物の金メダルをかけてくれたんですよ」

そう笑顔で語るのは、東京・赤坂にある三井メディカルクリニックの三井石根院長。ここには、ロンドン五輪女子プロレスリングで金メダルを獲得した吉田沙保里選手(29)が通っている。五輪三連覇という快挙の陰には、このクリニックの『オサート』と呼ばれる最新視力回復法が一役買っていたのだ。

一般的に視力回復といえばレーシック手術が有名。しかし角膜の表面を削るレーシックとは違い、オサートは専用の特殊なコンタクトレンズをつけて寝るだけ。そのため、リスクが少ないという。レンズが角膜を圧縮することで角膜形状を矯正。これにより近視が回復する仕組みだ。光井先生はこう続ける。

「レンズを少しずつ変え、最終的に角膜を理想の形に矯正していきます。効果がある人は翌日に1.0以上出ることもありますね。吉田選手が初めて来院されたのは、前回の北京五輪の3カ月前。監督といっしょに伊調千春(30)、馨(28)姉妹の4人で来院されました。その少し前、彼女が試合中にコンタクトレンズを落としていたのを見たので、知り合いを介して『こんな治療法があります』とお伝えしたのが始まりでした」

当初、吉田の視力は右が0.1で左が0.8。それが、北京五輪にはオサートで1.5程度にまで回復した。

「レーシックをした角膜に外力がかかると角膜が剥がれて視力を失う危険性があるため、ボクシングなどの格闘技ではレーシックが禁止されています。また、レスリングでは自分から試合を中断させると“減点1”を取られる場合があるため、試合中にコンタクトがはずれて付け直すと不利になってしまいます。彼女は『これで安心して裸眼で試合に臨める!』と言って喜んでいました」

気になるオサートの費用は、初診の検査費用が数千円。その後治療を始める場合には、近視の程度にもよるが両眼で38万円からだという。

「吉田さんはロンドン五輪の試合中にも、相手の指が目に入って困ったとおっしゃっていました。もし普通のコンタクトだったらレンズが外れ試合中に見えなくなっていたでしょうし、レーシックをしていたら角膜が剥がれて重大事になっていたでしょう。彼女からは『先生のおかげで金メダルを取ることができました!』という嬉しい言葉をいただきました」

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