「メタボの方は、高血圧や高脂血症、糖尿病などを引き起こしてしまうので、医療費が増えてしまいます。そもそも、日本人は欧米人よりも、内臓脂肪が付きやすい体質なので、注意が必要です」
と、警鐘を鳴らすのは、栗原クリニック東京・日本橋の栗原毅院長。
今春、厚生労働省は「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の人は医療費が高い」という調査結果を発表した。その調査によると、メタボと判定された人は、そうでない人と比べ、年間の医療費が9万円高かった。男女年齢別で見ると、差が最も大きかったのは、45~49歳のメタボ女性で、年間18万130円もの差が。国民健康保険(3割自己負担)の加入者なら、5万4千39円の出費増となる。
「更年期予備軍、早い方では更年期を迎える年代と重なります。更年期によって、エストロゲンという女性ホルモンが激減して、新陳代謝が低下してしまいます。その結果、以前よりも、内臓脂肪が2倍以上のスピードで付きやすくなるのです」(栗原院長)
東京医科歯科大学の藤田紘一郎名誉教授も言う。
「メタボはやがて、脳卒中や心筋梗塞など命に関わる病気を招きます。将来的な、医療費の増加は、この程度では済みません」
メタボは、身体や家計を苦しめる、家庭の大敵なのだ!そこで、更年期の女性に適した、健康&家計を守る、簡単な食卓ルールを緊急検証!
①うどんより蕎麦!
「糖質の摂取で、血糖値が上がると、“肥満ホルモン”と言われる、インスリンが大量に分泌され、脂肪が溜まりやすくなります。最近の研究でも、脂肪より、炭水化物の摂り過ぎが、肥満に大きく影響していることがわかってきました」(栗原院長)
糖分控えめこそ更年期女性のメタボ対策の基本だという。特に、摂取量が多い主食のご飯や麺類には気をつけて!
「ご飯や麺類などは10〜15%減を目標に。外食の際、ご飯は3口、麺類は5分の1を目安に残したほうがいいでしょう。糖質が少ないという点では、白米より雑穀米を、うどんより蕎麦のほうを、勧めます」(栗原院長)
②ゆっくり噛もう!
「早食いは、血糖値を急上昇させる大きな原因です。ゆっくり噛んで食べることで、満腹中枢が刺激され、食事量を減らせます」と、藤田教授。栗原院長は「ひと口で30回以上噛む」&「1回の食事に15分以上かける」ことを勧める。
「そうするだけで、9割以上の方が、自然なダイエットができるでしょう。ひと口ごとに箸を置く習慣を身につけると、自然とゆっくり食事できますよ。切り干し大根、かんぴょう、キクラゲ、タコやイカなど、噛みごたえのある食品で、主食を減らした分の満腹感を補えます」(栗原院長)
③ご飯を食べるのは、食事開始から2分後に!
「食事の最初に、ご飯を食べると、インスリンの分泌量が急上昇してしまい、メタボの原因に。ご飯は、食事をはじめてから、2分以上経ってから食べることを心がけましょう」
と、栗原院長。食べる順番の工夫も!
「最初に、食物繊維の多い野菜や海藻などの副菜を食べ、次に魚や肉の主菜、最後にご飯という順番で少しずつ食べることで、太りにくい体質になります」(栗原院長)
食卓をほんの少し変えて、家計も体調も“健全”に♪