「今から約6年半前、当時高校生だった長男はいつも朝はぎりぎりまで寝ていて、起きたとしてもパンをかじってコーヒーを飲むくらいで、簡単に済ませてしまう。それでは栄養が足りないなと考えていたところ、旬の野菜を入れたスープを作ってみたら、朝ご飯をきちんと食べるようになったので、毎朝異なるレシピのスープを作るようになったのです」
こう話すのは、スープ作家で『帰り遅いけどこんなスープなら作れそう』(文響社)の著者・有賀薫さん。毎朝作ったスープをSNSにアップし続けたら、現在レシピの数はなんと2,300以上に!
「『スープを作るのにはゴトゴト煮込んで時間をかけなければ』と、思う人が多いのですが、じつは簡単においしく作れるんです。手軽なコンビニ食材を上手に使って、2〜3分でサッとできるスープもありますよ!」(有賀さん・以下同)
そこで、豊富なレシピのなかから、今回特別に教えてもらったのは、“包丁、だし、火”を使わないで、5分未満でサッと作れるスープだ。マグカップや器を直接電子レンジにかけるので、鍋でゴトゴト煮込む手間はない。しかも1人分がムダなく作れるのでコスパもいい。
■焼き鳥と梅干しのマグカップスープ
【材料】1人分
焼き鳥(コンビニなどで売っている大きめのサイズのもの、塩味)…1本
梅干し…大1個
しょうがのすりおろし(チューブでも)…少々
醤油…少々
青ねぎ…小さじ1
水…200ml
【作り方】
1)串からはずした焼き鳥、梅干し、しょうがのすりおろしをマグカップに入れる。水200mlを加えたらラップをかけ、レンジに2分かける。
2)醤油を加えて、青ねぎをちらす。
「使う焼き鳥は、コンビニで売っているもののほか缶詰でもOK。お湯を注ぐと鳥の油が出るので、調味料やオイルは使わないですみます」
■鹹豆漿(シェントウジャン)
【材料】1人分
無調整豆乳…200ml
油揚げ…1/2枚
乾燥桜エビ…小さじ1
ザーサイ(びん詰)…小さじ1
A(酢…小さじ2、醤油…小さじ1)
青ねぎ、ラー油…お好みで
【作り方】
1)油揚げをオーブントースターで焼いて焦げめをつけ、キッチンペーパーで軽く油をおさえてハサミで1cm幅に切る。
2)器に豆乳と桜エビ、ザーサイを入れ、1分半〜2分レンジにかける。
3)2にAを加え、スプーンで軽く混ぜ、固まり始めたら油揚げをトッピング。好みで刻んだ青ねぎやラー油を加える。
「台湾の定番朝ご飯の鹹豆漿は、油揚げとザーサイからうま味がたっぷり出ますので、だしいらず。豆乳は、あっさりした味で朝食に向いています」
■海藻とキムチのデトックススープ
【材料】1人分
キムチ…20g
乾燥ワカメ…小さじ1
メカブ…1パック(40g)
ウーロン茶…100ml
水…50ml
醤油…少々
【作り方】
1)器にすべての材料を入れる。
2)ウーロン茶、水を加えラップをかけて、2〜2分半レンジにかける。
3)お好みで醤油をかける。
今回教えてもらったスープの作り方は全部電子レンジで加熱して、包丁でわざわざカットをしなくてもすむ食材を活用している。鍋やまな板などを洗う手間が省けるので、家事の時間をグンと節約できる。
「忙しい主婦は料理以外にもやりたいこと、やらなければいけないことがたくさんありますよね。『料理はかくあるべし』といったこだわりを捨てると楽になりますよ」
食後の満足感もたっぷりのスープ。トライしてみよう!