最近の大学では、専門性の高い学部がその設備や研究を生かしたオリジナル食品を続々と開発している。受験シーズンまっただなか、合格祈願の思いもあってプチブームの兆しあり。そんな個性あふれる「大学グルメ」を紹介しよう。

小樽商科大学の〈商大ラーメン〉は、学生や教授、職員が試食を重ねて生み出された新名物だ。北海道産の小麦粉を使ったコシの強い麺と、ダシのうまみとコク深い醤油の香りが立つスープは絶妙。1箱(2人前)=630円。弘前大学には、りんごジュース〈医果同源〉がある。同大の城田安幸農学博士が、未熟りんごには免疫力アップ&血糖値の上昇を抑える効果があることを発見。成熟りんごとブレンドしてみごとに商品化させた。6本入り=2,200円。

世界3大珍味の1つをつくったのは近畿大学。大学の水産研究所で養殖するチョウザメから採取した〈近大キャビア〉は無添加、無着色、無加熱でも濃厚な味わいだ。1瓶(30g)=1万円。京都大学には〈総長カレー〉あり。「総長を身近に感じたい」という学生の声を受け、カレー好きの第24代尾池和夫総長がプロデュースした。1個=630円。

薯蕷(じょうよう)まんじゅう〈やえごころ〉を生んだのは同志社女子大学だ。大河ドラマのモデル・新島八重が学生にまんじゅうを振る舞った逸話にちなみ、生活科学部の学生が提案。京菓子匠「鶴屋吉信」が再現した。1個=380円。高知大学はヘルシーなロールケーキ〈くるり〉を開発。農学部の永田信治教授が、血糖値の改善と上昇を抑制する水溶性食物繊維「ソフィβ-グルカン」を使って160カロリー減の健康的なスイーツを作った。1本=880円。

鹿児島大学には、やはり芋焼酎〈天翔宙〉。天璋院篤姫ゆかりの地、指宿市の土壌で生まれた新酵母「篤姫酵母」を発酵学講座の研究でよみがえらせた。くせがなく爽やかな芋焼酎は1本=1,450円。

そのほか、北里大学の〈草熟北里八雲 無塩せきコンビーフ〉、信州大学の〈山ぶどうワイン〉、奈良女子大学の〈アイスもなか〉など、全国の大学で研究や実習のなかから美味しいグルメが誕生している。

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