刺激的な暮らしとは無縁だけど、家族の穏やかな時間が流れている。仕事もなくて家に引きこもりがちのニート男性は、競争社会には適応できなくても、家庭人としては理想的。というわけで、今、稼ぎがなくても、生活力がある夫を選ぶ女性が急増しているという。

 

ニート支援のNPO・ニュースタート事務局で働く北澤久実さん(41)はこう言う。

 

「夫は元ニートだけど、自分のことより家族を優先してくれます。だから頼みごともしやすいし、仕事のストレスもなくて、家の中は常に穏やか。夫婦ゲンカにもならないくらい」

 

ニート婚の特徴は、夫が競争嫌いで、家の中での主導権を握らないことだ。だから2人で共同生活をするには、ストレスのない平穏な関係が築けるという。現在、不況や就職難で、19〜39歳のニートは70万人といわれる。マイナスイメージのあるニートだが、ニート婚は女性にとってどんなメリットがあるのか、あらためてニート婚夫婦を取材すると、8つの大きなメリットが浮かんできた。

 

【1】世間ずれしていない、素直でやさしい夫。

【2】夫は家事が抵抗なくできる。頼めばなんでもやってくれる。

【3】お金のない生活が上手になる。

【4】夫に仕事のストレスがないから穏やかに暮らせる。

【5】夫が日中、子供の面倒を見てくれる。

【6】妻の仕事が忙しくても、理解してくれる。

【7】自分の理想の夫に育てられる。

【8】家族で過ごす時間が増やせる。

 

北澤さんの夫・肇さん(36)は今、郵便局で働いている。10年以上ニート支援に携わってきた実感として、北澤さんはこう語った。

 

「ニート婚は王道ではないですけど、お互いにとってハッピーなら、それでいいと思う。私の場合は、夫が性格的に仕事を始めてからも自分のことは二の次で、マメに家事や子育てを手伝ってくれる。そういう男性って実はニートに多いタイプだから、ニート婚はこれからもっと注目されてもいいと思います」

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