免疫学の権威が監修「血液型別なりやすい病気」O型編

今月、東大医科学研究所などの研究チームが《O型はA型に比べて、1.4倍、十二指腸潰瘍になりやすい》という研究結果を発表した。


「十二指腸潰瘍の原因とされるピロリ菌が、O型の人間を好む性質を持っていることが原因なのでしょう」と解説するのは、『血液型の科学』(祥伝社)の著書もある東京医科歯科大学の藤田紘一郎名誉教授。免疫学が専門の教授は、血液型によってかかりやすい病気があると断言する。

「免疫学的にはO、B、A、AB型の順に免疫力が強い。免疫力の低下が病気を招きます。また、人間や動物に血液型があるように、ABO型の各血液型を持つ病原体が存在し、同じ血液型の人間を好む性質を持っている。血液型を持たない病原体でも、特定の血液型を好む病原体があります」

そこで、血液型別にかかりやすい病気を藤田教授に監修してもらった。今回は、最も免疫力が強いという「O型」。激しい運動に耐える身体能力を持ち、肉食を好むのが特徴だ。ほとんどの病気にかかりにくく、特に梅毒感染には強く重症化しないという。

しかしO型にも弱点が。O型の性質を持つ数種類のサルモネラ菌や、病原性大腸菌などによる食中毒にかかりやすいというのだ。また、インフルエンザ・ウイルスA2型はO型を好む傾向があり、胃がんや大腸がんには強いが、十二指腸潰瘍に弱いという特徴も見られる。

「O型で際立っている病気が潰瘍なのです。O型はA型よりも、十二指腸潰瘍は30%も、胃潰瘍は15%もかかりやすいという研究結果も。O型は胃酸を多く分泌しすぎる体質を持っていることに原因があるようです。胃酸過多は、潰瘍や胃壁の炎症を起こしやすいようです。胃がんにかかりにくい理由は、おそらく単純に免疫力が強いからだと推測されます」

日本国内では最強のO型も、海外旅行の際は最も注意が必要な血液型でもある。例えば人口の90%前後がO型を占めるメキシコやボリビアなどの中南米には、O型を好む菌類が多いという。特に予防接種のないコレラには注意を!

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