新介護保険制度開始で調査「老後“本当に”住みやすい町5」
「この4月から、毎月定額で、自宅で24時間の介護サービスを受けられる制度が始まりました。『呼べばスタッフが来てくれる』という、定額で随時対応してくれる施設のサービスを住宅に広めようという試みで、自宅にいながら有料老人ホームのような介護を受けられるイメージです」
こう話すのは、介護事業に詳しい経営コンサルタントの濱田孝一さん。その新制度とは『定期巡回・随時対応型訪問介護看護』。昨年度、一部の自治体でモデル事業として行われていたが、4月から正式に公的介護保険制度に組み込まれた。
「現在の公的介護保険サービスは出来高制で、ひとつひとつのサービスの料金が決まっています。ですから、1カ月で使った介護サービスが介護保険の給付限度額を超えてしまった場合は、その超過した分を10割、自己負担しなければいけません。しかしこの新制度なら、定額でサービスを利用することができます」(濱田さん)
ところが、すべての市区町村でこのサービスを受けられるわけではない。事業所には高い運営ノウハウが求められるので、サービスを提供できる事業所がない自治体は制度を導入できない。そのため、4月から利用できるのは数えるほどしかないのだ。
そこで、自治体独自の高齢者に対する助成やサービス、今後の介護事業の見通しなどを参考に、地域福祉計画に詳しい東京富士大学の小坂善治郎教授から、老後“本当に”住みやすい町ベスト5をあげてもらうことに。結果は、【釧路市(北海道)】【君津市(千葉県)】【品川区(東京都)】【武蔵野市(東京都)】【佐世保市(長崎県)】の5つ!
「判断基準はサービス内容が充実しているかどうか、そして、ボランティアなどと連動して地域がコミュニティを築いているかどうかという点です。老後に安心して暮らせる町には、地域全体で高齢者とつながりをもつネットワークが必要なんです」(小坂教授)