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文部科学省が8月25日、小学6年生と中学3年生の全員を対象に、今年4月に実施した平成27年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を発表した。この結果を基に本誌が都道府県別ランキングを作成。1位は秋田県、2位は福井県と東北・北陸勢がここ数年変わらずのトップを占め、最下位も変わらず沖縄県だった。なぜか?本誌は「全国学力テストのなぜ?」を探ってみた。

 

○秋田県が不動のトップなのはなぜ?

秋田県は家庭、地域、学校、大学などの“オール秋田”で協力する充実した教育環境が定着しているという。このテストを実施した文科省学力調査室の高木秀人室長(43)によれば……。

 

「授業の最初に『今日の授業の目当て』を挙げて、授業後には児童生徒とともに話し合って振り返り、要点をノートに取らせている。この“秋田スタイル”を取り入れて成功している他県もあるほどです」

 

○福井県が常にトップ3に入っているのはなぜ?

「福井県は3世代同居の世帯が多いんです。『イタズラをしていたら隣家のおばあちゃんにも叱られる』といわれるように、目上の人を敬う伝統的な考え方も自然と身につくので、『先生は偉い人』として尊敬されます。比較的厳しめの指導ができるのも高い学力の一因かもしれません」(前出・高木さん)

 

○最下位沖縄の離島の中学が全国トップと肩を並べるのはなぜ?

八重山諸島・与那国島の中3。テストを受けたのは11人だが、その平均は国語Bで秋田県と同率1位、数学A、B、理科は単独1位と素晴らしい成績。与那国町教育課の仲吉永克課長に、この結果をぶつけてみた。

 

「ここ数年補習指導や授業改善などを行ってきましたが、その一環として’13年から『東大NETアカデミー』のオンライン双方向ライブ授業を本格導入しているんです。小中学生がそれぞれ90分間の現役東大生の授業を週2回ずつ受けていますよ」

 

○教育県のイメージがある長野県がなぜ22位なの?

「県では『授業の狙い、メリハリ、まとめ』という3つの観点で努力してきましたが、目に見えた成果という感じではないんですね。教育県ですか?それは学力というよりも、江戸時代から寺子屋の数が多かったり、貧しいなかで住民がお金を出し合って先生の給料を上げたりと、歴史的に教育熱心だったという伝統からいわれているだけだと思うんですが……」(同県教学指導課・春原秋男課長補佐)

 

○新聞を読む子が成績上位なのはなぜ?

「『新聞をほぼ毎日読む』子の正答率は、小6の国語Aでは77.0%、『ほとんど、まったく読まない』子は67.3%と、10%近くの開きがあるんです」(前出・高木さん)

 

また親の年収や学歴が高い子どもが高学力であるという調査結果も昨年発表されたが、「同時に、社会経済的背景は低いけれど学力が高い児童生徒の特徴も発表されています。そのひとつの特徴として、保護者が子どもに『本や新聞を読む』ようにすすめていたり、小さいころに『絵本の読み聞かせ』をしたりしているんです」(同)

 

小さいころから読み聞かせで文字になれていれば、新聞を読む習慣にも結びつきやすく、同時に読解力も高くなるという好循環を生む。地域の不断の努力に加えて、家庭での親の意識がまさに子どもの学力に直結していたのだ。

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