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「“人生100年時代”といわれていますが、あと30年も家でボーっとしていても仕方がない。残りの人生、趣味を楽しむか、仕事をするか考えたときに、外に出たいと思いました。まだ頑張ります!」

 

そう語るのは、都内に住む女性Aさん(70歳)。デザイン会社や広告代理店などで事務職として働き、昨年2月に69歳で退職した。

 

健康寿命の延伸、年金受給開始の後ろ倒しに関する議論などもあり、これからは定年後も働くことがより一般的になっていくことが予想される。Aさんも、70歳を過ぎても体が元気なうちは働こうと決めたが、難航したのは職探し。求人票には「年齢不問」と書いてあっても、フルタイムで雇ってくれる会社は簡単には見つからなかった。

 

そんなとき、「東京しごとセンター」のホームページにたどり着いた。ここは、都民の雇用・就業を支援するために東京都が設置した機関で、ハローワークや民間の就職支援会社と連携した就業支援を行っている。55歳以上が対象の「シニアコーナー」では、シニア世代向けの就業相談、無料で受講できるセミナーが充実している。東京しごと財団しごとセンター課長の酒井崇光さんが言う。

 

「’17年度に新規登録された55歳以上の方は8,504人で過去最高でした。このうち女性は約4割。この年代の方々は人生経験が豊富で、仕事に対しても責任感を持って取り組まれる方が多い。コミュニケーション能力も高いので、即戦力として採用したがる企業が増えてきています」

 

これまで事務職で働いていた人は同様の仕事を希望するケースが多いそうだが、高齢者を対象とした事務職の求人は多くない。

 

一方、マンションでゴミ出しや共有部分の清掃などを行う管理員や建設現場などで通行人を安全に誘導する警備スタッフ、オフィスビルや商業施設内のトイレや通路の清掃といった軽作業の求人は多く、女性も活躍しているという。

 

「早朝の時間帯でのコンビニやスーパーのレジスタッフにも、シニア向けの求人があります。ほかに、“家事力”を生かした仕事も。たとえば、調理補助は病院食調理、学校給食、社員食堂のほか、デパートの総菜コーナーでの天ぷら調理など、いろいろな場面で求人があります。子育ての経験を買われて、保育園で園児たちの送迎やおむつ替えを手伝う保育補助も女性は引く手あまたです」(酒井さん)

 

入居者の話し相手になれることから、介護スタッフの現場にもニーズがあるなど、身近なところにも仕事はあるようだ。

 

“生涯現役”というフレーズもよく聞かれるなど、読者世代により身近になってきた“再就職”。自分にピッタリな仕事と出合えれば、人生をより豊かにできるかも!

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