「天候が目まぐるしく変わるだけでなく、ジメジメした梅雨の季節は自律神経のバランスが乱れがち。不眠や頭痛、便秘や肩こりなどの不調を訴える女性が増加します。そんな“梅雨バテ”を解消しないまま酷暑の夏に突入すると、心身ともに大きなダメージを受けてしまいます」
そう語るのは本誌連載「血流講座」でおなじみの順天堂大学医学部・小林弘幸教授。自律神経研究の第一人者である小林先生に梅雨バテになったときの対処法を聞いてみた。
「大事なのは朝の過ごし方です。朝は“リラックスモード”の副交感神経優位から“活動モード”の交感神経優位に切り替わるタイミング。しっかり切り替えることで、自律神経が安定します。これから紹介する健康法は自律神経を短時間で整えるもの。10秒ずつでOKなので、毎日続けましょう」
そこで小林先生が実践している朝の習慣を紹介。
■伸ばしストレッチ
頭上で手のひらを合わせて、全身をグーッと伸ばす。手を合わせるのが難しい人は手首をクロスさせる。
「目が覚めたら寝床で全身を10秒間じっくり伸ばします。体の両脇をしっかり引き伸ばすことで、腸に適度な刺激が加わり活動が促されます。それによって自律神経が整ってくるのです」(小林先生・以下同)
就寝中にこり固まった、肩や腰などの筋肉をほぐす効果もあるとか。
■朝の光を浴びる
「朝の光を浴びることで、代謝やホルモンの分泌をコントロールしている体内時計が正常に働きだします。曇りや雨でも効果は十分あります。自然の光を浴びると体内時計が正常な状態にリセットされ、自律神経のバランスが整い血流もアップ。快適な一日を送れます」
■体重計に乗る
「体重の増減に気を配る習慣をつけることで、生活習慣病やさまざまな体の不調のサインを見落としにくくなります。朝の体重を記録しておくことがオススメです。また毎朝、同じ時間に体重を量り、自分の現状を把握することは、肥満防止にもなります」
■起きたらすぐの歯磨き
寝起きの口内環境はかなり悪化しているので、まずは短めに歯磨きを。
「40代以上になると急増する歯周病は、糖尿病や脳梗塞などの慢性疾患のきっかけになる万病のもと。その要員である歯周病菌は就寝中に増殖するため、起床したばかりの口内環境はかなり悪化しています。歯磨き粉を使わずに、歯や歯ぐきをサッと磨いて洗い流しましょう」
朝食後の歯磨きはこれとは別に、時間をかけて丁寧に磨いたほうがいいそうだ。
■コップ1杯の水を飲む
忙しい朝でも、朝食はしっかりとりたいところ。その前にルーティンに加えたいのがコップ1杯の水を飲むことだという。
「胃に水の重さが加わると、その下にある大腸の上部が刺激(胃結腸反射)され、腸のぜん動運動が活発になります。その結果、腸内環境が整い自律神経が活性化。ポイントは冷たい水よりも常温水を勢いよく飲むことです」
“朝習慣”で梅雨の不調を解消しよう!