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新型コロナウイルスの感染拡大から3カ月超。39県で緊急事態宣言が解除されたが、一律10万円の「特別定額給付金」を受け取ったのは、ごく少数の人だろう。国の経済支援は総じて「遅くて少ない」と言わざるをえない。となると、自力での踏ん張りが重要だが、保険会社が実施する特別措置を利用するのも一手だ。経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれたーー。

 

■コロナ肺炎で亡くなった場合

 

通常の死亡保険金の対象です。加えて特別措置として、コロナ肺炎での死亡も、感染症や不慮の事故などによる死亡時に保険金を上乗せする「災害割増特約」が適用されることになりました。

 

災害割増特約は死亡保険金と同額まで付加できます。たとえば死亡保険金が1,000万円で災害割増特約が1,000万円の契約だと、死亡時の保険金は最大2倍になります。また、かんぽ生命の「倍額支払制度」はコロナ肺炎も含まれ、死亡保険金が倍増します。これは基本契約ですから、全国の加入者約1,600万人が対象です。

 

■「今すぐ現金が必要」な場合

 

今なら、「契約者貸付」を無利子で利用できます。契約者貸付は、解約時に返金される「解約返戻金」の範囲内でお金を借りる制度です。通常は2~8%の利子が必要ですが、たとえば明治安田生命では、3月16日から5月末までに借りた分は、9月末までの利子が免除されます。

 

契約者貸付は解約返戻金が担保になるので、審査も簡単で現金が早く手に入ります。もちろん返済は必要ですが、返済できなかった場合は保険が解約され、そのときの解約返戻金から借りた分が差し引かれることで相殺されます。

 

家計が厳しいために保険を解約すると、保障がすべてなくなります。今までせっかくかけてきたのに、もったいない。契約者貸付は利用中でも保障は変わらず受けられますから、ひとまず利用して、その間に立て直しをはかるとよいと思います。

 

「女性自身」2020年6月2日号 掲載

経済ジャーナリスト

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