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物議をかもした「Go To Travelキャンペーン」に続き、「Go To Eatキャンペーン」が9月をめどに始まる。そんなGo To Eatキャンペーンには、巨額の予算や開始時期に疑問の声も上がっている。経済ジャーナリストの荻原博子が解説してくれたーー。

 

■コロナ収束の未来も見えないなか、いよいよ開始

 

Go To Eatキャンペーンとは、新型コロナ感染を予防しながら営業する飲食店を応援する施策で、2つの取り組みがあります。

 

1つ目は、プレミアム付き食事券の発行です。地域の飲食店で使える1万2,500円分の食事券を、1万円で販売するというものです。

 

2つ目はネット予約によるポイント付与です。登録店にネット予約した方に、次回以降に使えるポイントを、昼食時間帯は500円分、夕食時間帯は1,000円分付与します。

 

これらは’21年1月末までの期間限定で、コロナ禍で沈んだ消費の呼び起こしを目的とする「Go To キャンペーン」の一環です。経済支援は大切ですが、キャンペーンそのものに問題山積みです。

 

【1】予算の成立時期

国のコロナ対策としては、収束に向けての支援がまず第一で、消費喚起は収束が見通せてから行うものだと思います。ですが、Go Toが盛り込まれたのは、4月30日に成立したコロナ対策の第1次補正予算です。1人10万円の「特別定額給付金」や中小企業向けの「持続化給付金」などがやっと決まったとき、すでに消費喚起策が並んで規定されるのは、時期尚早と言われても仕方ないでしょう。

 

【2】キャンペーンの開始時期

コロナの第2波が猛威を振るい、帰省の自粛を呼びかける地域もあるなかで、人の移動を活発化させる施策が、なぜ「今」なのか。沖縄県の現状は“旅行客が持ち込んだ2次被害”という見方にも、言い訳できないと思います。

 

今後、コロナ関連で倒産する会社も増え、経済はますます冷え込むでしょう。経済破綻が原因の「経済死」を1人も出さないように、国は血税の使い道を、精査してほしいと切に願います。

 

「女性自身」2020年9月8日 掲載

経済ジャーナリスト

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