軽トラックでエイサーの音源を流して地域を回る胡屋青年会のメンバー=20日、沖縄市の胡屋自治会館 画像を見る

 

旧盆初日のウンケーに当たる31日。旧盆期間に先祖供養の思いを込めて踊るエイサーの道ジュネーは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で中止が相次いでいる。県独自の緊急事態宣言が長期化する中、各自治会の青年会は練習を自粛するなど、道ジュネー実施の難しい判断を迫られた。伝統芸能を途絶えさせず、地域に元気を与えようと、各青年会は新たな道ジュネーの形を模索している。

 

「エイサーのまち」を宣言している沖縄市。毎年、旧盆が近づくにつれ各地で太鼓や三線の音が聞こえるが、この夏は静かだった。7月初旬、市内の青年会で構成する青年団協議会は、練習時や道ジュネーの際に感染拡大を防ぐためガイドラインを策定した。実施の判断については各自治会に委ねた。

 

園田青年会は8月上旬に中止を決めた。参加者の体温を測定して体調などを記録し、3密を避けて練習に励んできたが、青年会員や地域住民への感染の不安を拭いきれなかった。澤岻幸一郎会長(28)は「やりたい気持ちは今でもある。なかなか踏ん切りがつかない」と悔しさをにじませる。

 

園田青年会では、道ジュネーの雰囲気を味わってもらおうと動画制作を企画した。交流のある和光青年会(東京都)の関係者が撮りためた、園田青年会の道ジュネーの映像を約5分の動画にまとめた。動画は31日に青年会のフェイスブックなどSNSで発信する。澤岻会長は「道ジュネーは見られないが、動画でエイサーを楽しんでほしい」と呼び掛けた。

 

胡屋青年会と比屋根青年会は、過去に収録したエイサーの音源を流し、自治会が所有する軽トラックで地域を回る。宮城大輝胡屋青年会長(22)は「来年こそは道ジュネーができるよう、新型コロナに負けずに頑張ろうと励ましたい」と語った。当初は旧盆の3日間で自治会内を回る予定だったが、台風接近のため日程を延期して実施する。

 

9月2日のウークイに実施予定の大城俊輔比屋根青年会長(36)は「先祖供養の意味を込めて地域を回り、オジーやオバーを喜ばせたい」と意気込んだ。

 

例年の半分以下の人数で場所を絞ってエイサーを披露する自治会もある。練習時はガイドラインに沿って検温や消毒を徹底し、参加人数や回数を制限した。自治会内で感染が確認されず、住民から反対の声もないことから実施に踏み切った。

 

長引く自粛生活に疲労感をにじませる住民も多く、この自治会の青年会長は「こういう時だからこそ地域の人を元気づけたい」と語る。台風が接近する場合は中止する。自治会長は「先祖供養が一番の目的だ。雨風の影響がなければ、窓越しからでも楽しんでほしい」と話した。
(下地美夏子)

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