新型コロナの陰に埋もれがちだが、インフルエンザのシーズンもすぐそこまで来ている。まだ流行の兆しは見られていないが、10月1日からインフルエンザ予防のワクチン接種が全国で開始。各地で予約が殺到しているという。
「厚労省は高齢者や基礎疾患保有者、妊婦などに10月1日から接種を行い、それ以外の人は26日以降にするよう呼びかけています。しかし、新型コロナとの同時流行を懸念した人々が病院に詰めかけているといいます。岐阜県のあるクリニックでは開始初日に4時間で今季の枠800人分の予約がすべて埋まってしまったそうです」(医療ジャーナリスト)
自身のクリニックでインフルの予防接種も行っている、のぞみクリニック・筋野恵介院長は危機感を語る。
「今年、日本が用意したインフルエンザワクチンは6千300万人分だけなんです。例年だと約5千万人分ほどで、今年は増やしたもののそれでも総人口の半分。この状況ではいずれ不足するのは目に見えています」
ワクチン争奪戦に敗れる人が続出することが予想されるなか、本誌は“3つの裏技”を入手した。
筋野院長は言う。
「“大きな病院に予防接種を打ちに行くなんて”と思っている人は多いので、大病院でたまに余っていることもあります。新規だと難しいかもしれませんが、ふだんから通院している人は、念のため打ってもらえないか聞いてみるのもいいでしょう」
“穴場”は小児科だという。
「13歳未満は2回打ちますし、子供と一緒に受ける親もいるので、小児科のほうがワクチンの本数が多いと思います。近所のクリニックが予約でいっぱいであれば、小児科へ問い合わせてみるのもいいかもしれません」(前出・筋野院長)
とはいえ、子供がいなかったり、すでに大きく成長しているのに、大人が一人で小児科に行ってもいいものだろうか……。
「普通の風邪のような症状などであれば小児科でも大人を受け入れていますから、基本的に大人だけでも受けられます。ただ、持病のある人は、必ず主治医か、かかりつけ医に予防接種しても問題ないか確認してください」(前出・筋野院長)
大病院、小児科にもワクチンがない場合でもあきらめてはいけないというのはある内科開業医。
「予防接種を予約していても、ほかの病院に行ったついでに接種してしまう人が案外いるんです。そういう人のワクチンが余ることがあるので、かかりつけ以外の病院にも電話で問い合わせてみることをお勧めします。余っているワクチンは必ずあるということです」
“めげない心”がワクチン争奪戦を左右する鍵かも!?
「女性自身」2020年10月27日号 掲載