回転寿司チェーン「はま寿司」で男子高校生がガリを容器から直接食べるという迷惑動画が今年2月にSNSで拡散された問題で、同社は4月5日に警察に被害届を提出。しかし、ガリを“直食い”した男子高校生の叔父による“新証言”が波紋を呼んでいる。
問題の動画は昨年撮影されたもので、富山市内の店舗で男子高校生がテーブルに置かれているガリの容器に直接箸を入れて食べるという内容。同時期に「スシロー」で少年がしょう油差しなどをペロペロ舐める迷惑動画が拡散されていたこともあり、今年2月にSNS上で炎上騒ぎとなった。
そんななか、騒動から2カ月ほど過ぎた4月12日に『NEWSポストセブン』から続報が。記事によると、男子高校生の叔父が取材に応じ、前述の“スシローペロペロ事件”とは「少し質が違う」とした上で、こうコメント。
「店員さんが(男子高校生がガリを食べることを)確認していたと聞いているんです、(ガリを)完食して。お店をでるときは『ありがとうございました』と(言われた)。スシローさんの件とは少し質が違うと思います」
続けて、このことは警察関係者や弁護士にも伝えるとし、男子高校生の行為自体に「正当性はない」と話していた。
男子高校生が共用容器に入ったガリを“直食い”したことは消えないとはいえ、仮に、迷惑行為を店員が目撃していたにもかかわらず、注意や制止をしていなかったとすれば、店側の対応も問われることになるだろう。実際はどうだったのか、同社の担当者に話を聞いた。
――「完食してお礼を言われた」という叔父の発言について、当時の店員さんに確認したか?
「以前、動画が上がった際に、『食べた後にありがとうって言われた』ということは(男子高校生サイドから)事前に伺っていたことです。そこでヒアリング調査をしました。やはり、言った言わないの世界になってしまうので、確信が持てる内容ではないのですが、一応弊社の調査では『ありがとうございました』と言ったという事実は確認できませんでした」
――昨年のことだし、男子高校生含め、記憶違いということもあり得るか?
「そうですね。『ありがとうございます』と言うトーンも様々あると思うんですね。本当に感謝の『ありがとうございました』なのか、咄嗟に出た『ありがとうございました』なのかなど」
――対応した店員さんはアルバイトの方?
「そのように聞いています」
――アルバイトの方は容器から直接食べているところを目撃していたのか?
「そこに関しても、ヒアリングなので『必ず見てません』とは言い切れませんが、そういった事実は確認できていないところです」
――仮に「ありがとう」は言ったとしても、空の容器を渡されて、「教えてくれてありがとう」のニュアンスも考えられるか?
「よくあることなのですが、中身が切れてしまうことはたまにあることなので、『なくなりましたよ』とお客様が知らせてくださる、それに対して『ありがとうございます』という会話もありますので、これは推測ですけれど」
――仮に迷惑行為を見ていたのに止めずに「ありがとう」だと、店の対応にも問題があったことになるが、昨年のことなのでそこはわからないと
「そうですね。正直、記憶の世界になってしまうので……」
――ただ、当時いた店員としては、迷惑行為を確認したのに制止せずお礼を言った記憶はないということ?
「そうですね。要は、誰が言ったとか、誰が言ってないとか、対応したのは誰かっていうところもわからない状態なので、一概に『はま寿司は絶対に言ってない』というような把握、認識は避けていただきたいという風に思っています。事実は確認できていないというところです」
――動画にも映っていない?
「そういったものは確認できていません。今は警察の捜査に委ねていますので、現時点でこちらから何か申し上げることは何もないということですね」
――仮に叔父さんの話が事実だとしても、被害を取り下げるってことにはならないですよね
「そうですね。(ありがとうと)言ったとしてもそういった行為が行われてたという事実は動画から確認できるので、そういった事実があるというのが動画で判明できている以上、現在の対応を切り替える予定はないということですね」
真相は藪の中だが、犯した罪が帳消しになることはない。