「インボイス」(適格請求書等保存方式)の開始が10月1日に迫っているが、制度を進める岸田文雄首相(66)に“落ち度”があったようだ。
「中国新聞デジタル」は9月28日、岸田首相が代表を務める自民党広島県第1選挙区支部による収支報告書の記載ミスを報じた。
記事によれば、’21年に他の自民党支部から受けた寄付金10万円を政治資金収支報告書に記載していなかったとのこと。このほかにも資金管理団体や後援会、選挙運動費用の収支報告書で、日付や団体名の誤りが計9件あったようだ。岸田首相の事務所担当者は同紙の取材に、「訂正する」と回答したという。
岸田首相といえば昨年11月にも膨大な収支報告書の不備が判明し、批判が相次いでいた。
「『文春オンライン』が岸田首相の21年の衆院選に伴う選挙運動費用収支報告書に、宛名や但し書きがない空白の領収書94枚を添付していたと報じたことが発端でした。報道を認めた岸田首相は、不備の原因を『出納管理者の確認漏れ』と釈明。いっぽう選挙運動に関する支出は『適正だった』とし、『収支報告書本体には目的を明記した』と“言い訳”したのです。
その後、広島県選挙管理委員会は、岸田首相が関係する政治団体の報告書に添付された領収書を公表しました。驚くことに250枚のうち、宛名や但し書きが記載されていないものが計50枚もあったと判明。各所から“目的を記載しない領収書は公職選挙法に違反する”との指摘が相次ぎました」(全国紙記者)
再び明るみになった岸田首相の“怠慢”――。松野博一官房長官(61)は29日の記者会見で、「事務的なミスであり、総理から事務所に対し速やかに報告するよう、すでに指示されているものと承知している」と語った。
いっぽう岸田首相は同日午前、「インボイス制度円滑実施推進に関する関係閣僚会議」に出席。報道によれば「事業者の悩みを的確に把握し、一つ一つの課題にしっかりと対応してまいります」と、事業者の不安解消に取り組む姿勢を見せたという。
取引の正確な消費税額と消費税率を把握することを目的とするインボイス。しかし事業者によっては手取り分が減る可能性があるだけでなく、請求書や納品書に記載事項が増えるため、売り手・買い手ともに事務負担が煩雑になることも懸念されている。
国民には正確な手続きを求めるにもかかわらず、岸田首相自身は”不備まみれ”の実態にネット上では怒りの声が噴出。インボイスの導入目前に、“特大ブーメラン”となっている。
《おめえが、間違えていて 国民には複雑なインボイスやれっていうのか》
《「ミスでした」で済むから増税メガネは楽だな》
《こんな奴がやれインボイスだの電帳法などやれという。まずは自分がやってみてはどうですか? どうせ出来ないでしょうし、発覚しても訂正しましたで終わり。国民の場合は延滞税とか払うんですよ! 議員は優遇され過ぎ》
《国民にインボイスを押し付けて自分達は使途不明金を悪用する。インボイスを押し付けるならこの不明金も明確にする必要がある。議員もインボイスをやれって!》
杜撰すぎる日本のトップの金銭管理に、一部ネット上で“増税メガネ”と呼ばれるのも無理はないだろう。