(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ) 画像を見る

「失敗しても、それはそれでいいのかなという感じでやりました。打席より緊張しました。素晴らしかったですね。いいおやつでも買ってあげたいと思います」

 

8月29日(日本時間)、ドジャース・大谷翔平選手(30)は本拠地ドジャー・スタジアムで先頭打者ホームランとなる第42号ソロを放った。さらに2つの盗塁も決めた試合後、満面の笑みを見せたのは愛犬・デコピンが登場した始球式について振り返ったときだった――。

 

デコピンを抱えマウンドに向かった大谷は、デコピンに“待て”と伝え、ホームベースの後方に座った。そのままマウンドで待っていたデコピンは置かれていたボールをくわえると、全力で走って大谷のもとへ……。見事にボールを届け、大役を果たしたのだ。『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2024』の著者で、スポーツライターの友成那智さんは言う。

 

「米国は愛犬家が多く、試合前後の動物愛護イベントでは犬が登場することが多いです。

 

犬による始球式はメジャーでは’09年のナショナルズの開幕戦でおこなわれたことはありました。ドジャー・スタジアムでも’13年に一度実施され、最近ではマイナーリーグのオールスターゲームでも開催されています。

 

ただ、愛犬が始球式を務めて、飼い主がホームランを放つのはメジャーリーグでも史上初なのではないでしょうか」

 

デコピン始球式のインパクトは絶大だった。ドジャースの公式Xで7千450万回表示されたとのデータもある。これは今季最多だ。試合後、ロバーツ監督はデコピンについて「あんなに躾されていることに驚いた」とコメントしていたが、「スタディ・ドッグ・スクール」代表で学術博士の鹿野正顕先生もこう語る。

 

「もっとも驚いたのは、大観衆のあれだけの声援のなか、デコピンが大谷選手の指示にきちんと従って、周りを気にせずやり遂げたことです。子犬のときからいろいろな環境に慣れていないと、騒がしい場所は大変なストレスになってしまいますから……」

 

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