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10月17日、俳優の西田敏行さんが東京都内の自宅で亡くなっているのが見つかった。76歳だった。

 

西田さんは67年にドラマ『渥美清の泣いてたまるか』(TBS)で俳優デビュー。映画『釣りバカ日誌』シリーズやドラマ『西遊記』(日本テレビ)のほか、『翔ぶが如く』『鎌倉殿の13人』をはじめとしたNHKの大河ドラマにも数多く出演し、国民的俳優として愛された。

 

78年の『雲を翔びこせ』(TBS)での渋沢栄一役、95年の大河ドラマ『八代将軍吉宗』での徳川吉宗役など、これまでにさまざまな歴史上の偉人や実在の人物を演じてきた西田さん。そんな西田さんが晩年熱望していた役があるという。

 

その人物とは72年から74年まで内閣総理大臣を務め、93年に亡くなった田中角栄氏だ。西田さんは演じたい人物としてたびたび田中氏の名前をあげており、17年のインタビューでは田中氏の魅力についてこう述べている。

 

《日本人って、あの手のおやじに一種の憧憬の気持ちを持ってますよね。清廉なおやじもいいけど、清濁併せのむようなおやじに引かれる。角栄さんを功罪合わせて演じてみたい》(「スポニチアネックス」17年9月17日配信)

 

田中氏と自身との共通点も見つけていたようで、《豊臣秀吉や角栄さんのような人たらしの才は、ちょっとは俺の中にもあるのかな、なんて思っちゃったりもするんですよ》(同上)とも語っている。

 

また、16年に発売した自著『役者人生、泣き笑い』(河出書房新社)では、さらに具体的な作品の構想も明かしていた。

 

《ドキュメンタリー風でも、出世物語みたいに持ち上げる作品でもなく、大人の作品としてきっちりと角栄さんの存在感を描いたものに出られたらって、病室で何度も思いました。中国のトップレベルの俳優に周恩来役をやってもらって、腹心の二階堂進さんや金丸信さん、梶山静六さんなど個性のある議員には、誰それがって……想像というか妄想をふくらませましたね》

 

さらに、日中国交回復を基点として、総理退陣後のロッキード事件までを描いた作品にしたいと考えていたようで、《あの事件の前後の角栄さんの内面はどんなであったか。「今太閤」といわれたのに、面倒をみて育てた身内の議員からも次々裏切られていくわけですよね。あのころの精神的葛藤、焦燥感ってものすごいものだったろうし、まさに人間ドラマですよね。きちんと描けばすごいドラマになります》と、思いを綴っていた。

 

ドラマや映画を愛し、病気療養中も作品のことを考え続けていた西田さん。この飽くなき探求心と、演技への真摯な姿勢こそが、多くの人に愛された理由だろう。

 

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出典元:

WEB女性自身

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