「僕は晴れ男です。だから、何とか天候がもったのだと思います」
こう話したのは10月3日に都内で行われた主演映画『八犬伝』のジャパンプレミアに出席した役所広司(68)。
この日は雨天が予測されていたが、天候の崩れは見られず、共演の内野聖陽(56)や土屋太鳳(29)らキャストが無事レッドカーペットに集結した。本作で、役所は江戸時代の人気作家で『南総里見八犬伝』を著した滝沢馬琴を演じる。
今年、俳優生活45周年を迎える役所。その長いキャリアも“晴れ模様”を継続しているようだ。
「役所さんがこれまでに出演した映画やドラマは120本以上に上ります。’96年に公開された主演映画『Shall we ダンス?』は日本アカデミー賞をはじめとする様々な賞を受賞。のちにハリウッドでリメイクもされました。
昨年は映画『PERFECT DAYS』でカンヌ国際映画祭最優秀男優賞を受賞。今まさに“日本を代表する俳優”です」(スポーツ紙記者)
だがこの名優も最近の“年下の快挙”には強く触発されたという。「9月ごろに役所さんとお会いしたのです」と語るのはある映画関係者だ。
「その場で役所さんから開口一番で出てきた言葉が“『SHOGUN 将軍』はもう観た?”でした。
役所さんは『SHOGUN』がエミー賞を獲得したことがとても気になっていたようなのです。『俺も観たけどあれはすごいよ』とか『(作品の)予算が日本とは桁違いだね』と感激していました」
9月15日(現地時間)で米国テレビ界のアカデミー賞と言われる第76回エミー賞で主要部門を受賞した『SHOGUN 将軍』。主演男優賞を受賞した真田広之(63)は、本作でプロデューサーを兼任していたことも話題になっていた。
役所はこの“年下俳優”の活躍が気になって仕方がない様子だったという。
「『僕もハリウッドでやるなら、製作にも関わりたい。でも真田くんのようにプロデューサーではなく、監督をやってみたいんだ。でもオファーがないことにはね』と熱く語っていらしたのです。
その話ぶりは“年下に先を越された”という悔しさを滲ませていたように思います。侍という“日本文化を題材にした作品”を海外に紹介する構想を先取りされたという思いもあるのでしょう」(前出・映画関係者)
「二人は海外進出をめぐって、いわば“ライバル関係”にあります」と、ある芸能関係者は話す。
「真田さんが初めてハリウッドに挑戦したのは、’03年公開のトム・クルーズ主演の『ラストサムライ』です。その後に拠点をロサンゼルスに移し、20年間ハリウッドでキャリアを積んできました。
他方で役所さんも’05年公開の『SAYURI』でハリウッドデビュー。翌年は『バベル』でブラッド・ピットとも共演しています」
過去に’98年に映画『たどんとちくわ』で共演歴もある二人。その対談(『キネマ旬報』’98年12月)で真田は「これを機に、役所さんとどっぷり御一緒できる作品をぜひやりたい」と言い、役所も「僕も全く同感です」と答えていた。