驚かないでください。ちょっとだけ、死にかけておりました。ちょっとだけというのは、死ぬ可能性は3%から5%ほどだったらしく。で、死なないで今に至ります。
10日前のことだった。左の脇腹と背中がものすごく痛くなったんですよ。激痛。救急車を呼んでもいいんじゃないかと思うくらいに。
でも、さすがにまだ我慢できるだろ、と地元のかかりつけ病院が開く時間を待った。
そして、痛みの波が一瞬、穏やかになったとき、車を運転し(隣のマンションに住む父親に助手席に乗ってもらった。父は夏に脳内出血を患っており、車の運転をできなくなったので)、病院へ向かった。開業30分前に着き、車の中で待った。
病院で診察を受け、検尿コップを渡された。びっくらこいた! おしっこが赤ワインみたいな色なんだもん(家ではまだそうじゃなかった)。
先生は、「たぶん、尿管結石」といった。石を溶かす薬と、痛み止めの座薬をもらった。
痛み止めの座薬を入れて20分。痛みは消えた。
は? あれは一体、なんだったの? 悪夢でも見てたんかい?
しかし、帰宅して、ふと鏡に映った自分を見ると(我が家にはリビングに着物稽古用の姿見が置いております)、落ち武者みたいなざんばら髪、紅茶を盛大にこぼしたヨレヨレのパジャマ姿の婆さんが映ってた。率直に、「恥ずかしい」と思った。
そう、この時は、恥ずかしいと思える余裕があったのだ。
それから土日を挟んで2日。痛み止めの座薬はなくなりそうだった。3日分もらっていたが、痛み止めの効き目が日に日に薄くなっていって。
もう運転はできそうもなかった。地元の知り合いに頼んで、病院へ連れていってもらった。
そしたら、すぐに大きい病院へ回され、緊急手術をすることになった。
腎臓に膿が溜まっていた。尿管結石ではなかった。理由はまだわからない。尿道が腫れて詰まったのはわかったが、石が詰まっていたわけじゃなかったのだ。
手術自体はそんなに大変なものじゃなく、尿道から腎臓にカテーテルを通し、詰まった尿道を広げる、膿を出す、ってなものだった。でも、なかなかあたしに合う抗生剤(細菌を殺す薬)の点滴が見つからず、高熱がつづいた。
もう少しで敗血症になるところだったんだよ! そう、この時死にそうになったわけ。
意識が朦朧とし、トイレの扉が重くて開けられず、わかっているだけで8回漏らした。父がいうには脱糞もしていたみたいだ。それから、オムツ生活に。
それと、この件が起きる前、あたしは夫に落胆していた。地元で起きた些細なトラブル(人間関係のどうってことない、でも根深いことよ)は大抵、あたしに相談がくる。夫にいうと、無視するので、しつこくいった。すると夫は、「妄想はやめろ」と怒鳴りだした。
あたしの意識が朦朧としていたのは、その時じゃない。なんにも気づけないのは、いつもおまえだ。気づく気がないからな。来年はもう我慢しない。体が持たない。
夫は病院に泊まりに来て、ずっとXで誰かと喧嘩していた。昔やってしまったことを揶揄されカッとなるのは、わかる。でも、それじゃダメだ。少しでも多くの人に「別の話を持ち出すのは卑怯」と庇ってもらえるあなたにならないと。
画像ページ >【写真あり】21年4月18日、米山隆一氏との挙式で白無垢姿の室井佑月(他1枚)
