株価が乱高下を繰り返しています。
日経平均株価は、3月9日に一時4千200円超下がり、翌10日には1千900円超上がりました。また、3月30日には一時2千800円超下がり、4月1日は終値が前日比2千675円高くなるなど、値動きが急激です。投資の初心者は株価が下がると心配になり、株価が上がると安心するジェットコースターのような心境かもしれません。
これまでも株価の急激な乱高下がありました。特に1990年ごろのバブル崩壊や2000年ごろのITバブル崩壊、2008年ごろのリーマンショックなどの起こる前が顕著です。今の乱高下も、危険な前兆ではないかと私は危惧しています。
しかも、月末の日経平均株価を比べた3月の下落幅は、7千786円。35年ぶりに過去最大となり、ますます心配です。
今、世界の株式市場には3つの“爆弾”があるといわれています。
1つ目はアメリカ・イスラエルによるイラン攻撃です。ホルムズ海峡の事実上の封鎖で、原油価格は1バレル1000ドル前後で推移。日本は原油の9割以上を中東産に依存していますから、株価への影響も甚大です。
2つ目はAIバブルです。2022年11月にChatGPTが公開されてAIブームが起き、AI関連銘柄が上昇中です。ただ過熱状態ではないかとの見方があり、いつかはじけると不安視されています。
■資金も経験もない初心者が戦える市場ではありません
3つ目はプライベートクレジット、いわゆるノンバンク融資です。投資家から資金を集めた投資ファンドが企業などに融資する仕組みで、銀行融資を受けにくい中小企業などが高めの利率で利用しています。出資する投資家は利率が高い分もうけが大きく、市場が拡大していました。ですが2025年以降、利用企業やファンドの破綻、出資を取りやめる投資家の増加など懸念材料が積み上がっています。
3つのリスクが複合的に絡み合って、現在の株式市場は複雑です。デイトレーダーのような短期的な売買で利益を得ようとする投資家が、株価が下がる=安いと認識し、大量に購入します。購入数が増えると株価は上がりますから、上がったら売る、大量に売却されると株価は下がるを繰り返しています。
こうした投機的な売買には大きな資金が必要です。資金も経験も少ない投資の初心者が戦える市場ではありません。「株が趣味」という私の知人は「不安材料が多すぎる」と持ち株の3分の2を売却したと聞きました。投資は自己責任、判断はそれぞれがするものですが、株価の乱高下が心配なら、投資信託などの毎月の積立をいったんやめて様子を見る手も。
最近は住宅ローンの繰り上げ返済より利回りの高い投資を優先すべきという意見もありますが、それは安定した投資環境でこそ言えること。今は、住宅ローンの返済を急ぎ、銀行預金や個人向け国債など安全資産を増やすほうが得策だと私は思います。
【PROFILE】
おぎわらひろこ
家計に優しく寄り添う経済ジャーナリスト。著書に『65歳からは、お金の心配をやめなさい』(PHP新書)、鎌田實氏との共著『お金が貯まる健康習慣』(主婦の友社)など多数
