糖尿病治療薬「マンジャロ」をダイエット目的で使用した自身の体験を語り、その使用を勧める発言が物議を醸した六本木の人気キャバクラ嬢兼インフルエンサーのゆいぴす氏(24)。その騒動の余波は今もなお広がり続けている──。
騒動の発端は、5月24日にYouTubeで配信されたキャバ嬢のオーディション番組『LAST CALL』だった。番組内で、体型管理に悩むオーディション参加者に対し、審査員を務めていたゆいぴす氏が「マンジャロ打ちな?」と発言。これに続いて、ゆいぴす氏がアンバサダーをつとめているオンライン処方サービス「diet beauty」について、同番組の制作者でありMCでもある実業家の溝口勇児氏が「最近、出資させていただいた」と明かした。
「番組内で出資先企業を宣伝すること自体に問題はありません。ですが、対象が医師の処方を必要とする医薬品だったことから、視聴者の間で違和感が広がりました。さらに、ゆいぴすさんは自身の体験談として、『マンジャロを初めて打った時、1カ月で5キロ痩せました』と語り、その効果をさらに強調したんです。もちろん、ゆいぴすさんは医師でも薬剤師でもない。処方薬の使用を他人に勧めるような発言に対し、SNSでは批判が殺到しました」(芸能記者)
炎上に拍車をかけたのは翌25日のXへの投稿だった。ゆいぴす氏は、「リスクは個人的に使っているので分かりますし、経験しています。あとは、私はそもそも医者でもないですよ。医者でなければ医薬品に関わってはいけないのですか? ただのアンバサダー(広告モデル)なんですが」と投稿。しかし、この発言は火消しどころか逆効果となった。医療関係者からは「処方薬には副作用があり、個人の体験だけで他人に勧めるべきではない」といった指摘がSNS以外でも相次いだからである。
6月3日、ゆいぴす氏は自身のSNSアカウントでこれまでの番組内やSNSなどでの発信や投稿について謝罪。一定期間、本業であるキャバクラ嬢以外の活動を自粛するとした。
「もっとも、『溝口勇児氏を含む運営側との間で、本件に対する認識及び、今後の活動方針について相違があると判断した』とも語っており、舞台裏ではゴタゴタしたことが予想されます。ゆいぴすさんにも言い分はあったと思います。
今回の件を受けて、「diet beauty」のホームページでは、これまで掲載されていたゆいぴすさんの写真が、AI生成とみられる女性の画像に差し替えられました。批判が長引くなかで、企業イメージへの影響を懸念した可能性があります」(業界関係者)
騒動の最中には、「東京都薬務課」を名乗るアカウントがゆいぴす氏に注意喚起したとの情報も拡散された。しかし、本誌が東京都保健医療局健康安全部薬務課に確認したところ、「ゆいぴす氏のアカウントに注意喚起をした事実はありません」との回答だった。一方で同課は、「SNS上で処方薬を販売しているとみられるアカウントへの注意喚起は今後もおこなっていきます」とのことだった。
本誌が取材を進めると、「diet beauty」のホームページに掲載されていた都内の提携クリニック『瑞江篠崎えがおのクリニック』(東京都江戸川区)は、3月27日に閉院とされている。
では、閉院した医療機関名義でオンライン診療をおこなうことは可能なのか。江戸川区保健所の担当者はこう説明する。
「閉院しているのであれば、その医療機関として医療行為をおこなうことはできません。処方箋を出すための診察も医療行為にあたります。仮に医師個人が診療を行う場合でも、閉院したクリニック名義のままでは認められず、新たな届け出が必要になります。
ただ、当該のクリニックからは閉院届が出ていません。なので、継続中と判断しています。仮に登録されたクリニック施設以外で診療行為をしていても、クリニックと同等の環境でなら医療行為はできますね」
本誌が、「diet beauty」を経営するダイエットbeauty株式会社に問い合わせたところ、「クリニックの閉院案内がGOOGLE MAPに出てしまったことで、勘違いをされた方もいらっしゃるようですが、クリニックはオンライン診断のため施設として続けています」との回答だった。
今回、批判の対象となった「diet beauty」は、医師によるオンライン診療を通じて処方を提供するサービスだ。医療制度に詳しいジャーナリストの松崎隆司氏がこう説明する。
「コロナ禍を契機にオンライン診療制度が拡充され、現在では初診からオンラインで診察を受け、処方箋を発行してもらうことも可能になっています。薬剤師による服薬指導もオンラインで受けられるため、サービス自体は制度上認められています」
つまり、溝口氏が出資した事業そのものに違法性があるわけではない。ただ、医療関係者は、オンライン診療の危険性を明かす。
「オンンライン処方の解禁は患者の利便性を考慮してのことですが、医師免許は1種類しかないため、皮膚科の医師がマンジャロのような糖尿病の治療薬を処方することもできてしまう。治療経験がないと副作用などの症状に対処できない可能性が高いですし、オンライン診療の危険性も十分理解すべきですね」
ゆいぴす氏らの起こした「マンジャロ騒動」は、単なるインフルエンサー炎上の枠を超え、ED(勃起不全)やAGA(薄毛治療)など、ほかの多くのオンライン診療ビジネスの実態にも注目が集まる事態へと発展している。
画像ページ >【写真あり】“不適切発言”について謝罪した“キャバクラ嬢”(他1枚)
