「1989年に映画デビューをさせていただき、ポツポツと単発ドラマのお仕事が入ってきたころ、『逢いたい時にあなたはいない…』の出演が決まりました。初めての連続ドラマだったし、ましてや“月9”という人気枠だったので、マネージャーも『おめでとう、やったね』とすごく喜んでくれたんです」
こう振り返るのは、七瀬なつみさん(59)だ。主演は中山美穂さんで、風間トオルや大鶴義丹など人気俳優が脇を固めていた。
「みなさん売れっ子。控室で、隣の化粧台に座った森脇健児さんから『今日は、このあと何の仕事が入っているの?』と聞かれ、何もないと答えると『わー、ええなあ』と羨ましがられました(笑)」
なかでも多忙を極めていたのが、中山美穂さんだ。
「当時のトップアイドルですから、目の前にいるとすごく緊張して、お芝居の打ち合わせ以外でお話しすることもありませんでした」
中山さんにビンタをするシーンで、あやうく大失敗しそうになったことも。
「本気でたたくべきなのかすごく悩んで……。本番前に監督に相談すると、慌てて『いやいや、絶対に叩かないでください。本気で叩いているような角度で撮ります』って(笑)。監督に聞かず、突っ走って演技していたら大問題に発展していたかもしれません」
それでも撮影現場になじんでいった。思い出に残るのは札幌ロケ。
「おいしいものを食べて、風間トオルさんが中心になってテニスをしたり、楽しい記憶しかありません。ただ、札幌ロケの私自身の出番が思い出せず、昔の作品を見返してみたのですが、見つかりませんでした。そんな私でも、札幌まで連れていってくださったんです」
好景気の時代、ドラマの打ち上げ会場は、バブル経済の象徴ともいえる「マハラジャ」だった。
「撮影中、ほとんどお話しできなかった中山さんに、勇気を出して『友人から頼まれたサインをお願いします』と言ったら、すごく気さくに『全然いいですよ』って書いてくださいました」
風間トオルとは、同作品をきっかけに親しくなった。
「初共演以降、1年間に2~3回、立て続けにお仕事をご一緒することに。最近では『ネプリーグ』(フジテレビ系)に、『トレンディドラマチーム』として呼んでいただきました」
2024年に急逝した中山美穂さんとの再共演も待ちわびていた。
「私が女優を続けていれば、きっと『お久しぶりです』とご挨拶できる機会に恵まれると思っていたので、それが心残りです」
『逢いたい時にあなたはいない…』(フジテレビ系、1991年)
付き合い始めて1年になる大木美代子(中山美穂)と野口雄介(大鶴義丹)だが、雄介の札幌転勤により遠距離恋愛が始まる。スマホはおろか携帯電話もない時代の遠距離恋愛は、当然のようにすれ違いばかり。今では想像もできないほどの試練だった。
【PROFILE】
ななせ・なつみ
1967年生まれ、埼玉県出身。高校時代に「ビーチギャル・コンテスト」でグランプリを獲得し芸能界入り。1989年に女優デビューを果たし、以降はドラマ、映画、舞台で幅広く活躍する。
画像ページ >【写真あり】平成アイドル感いっぱい! 中山美穂さんのピース姿(他1枚)
