映画『開戦前夜』公式サイトより 画像を見る

俳優の池松壮亮(36)が主演、石井裕也氏(43)が監督・脚本・演出を務める7月31日公開予定の映画『開戦前夜』に異変が起きている。7月16日、同作品の公式サイトで19日に開催予定だったプレミア上映会を中止すると発表され、“開催3日前”での突然の中止が大きな波紋を広げているのだ。

 

公式サイトでは《2026年7月19日(日)に予定しておりました映画『開戦前夜』プレミア上映会につきまして、イベント運営上の都合により中止とさせていただくこととなりました》と記されていたが、《なお、映画『開戦前夜』は、予定どおり2026年7月31日(金)より公開いたします》と、公開スケジュールに変更はないとも明かした。

 

この作品は、昨年8月に放送されたNHKスペシャル『シミュレーション ~昭和16年夏の敗戦~』のドラマパートを再編集して映画化したもの。物語は太平洋戦争の開戦直前における総力戦研究所を舞台にしており、猪瀬直樹氏(79)のノンフィクション作品を原作としている。

 

しかし、昨年にこのNHKドラマをめぐってある事件が起きていた。

 

「登場人物のモデルである陸軍中将の飯村穣さん(1888~1976)の孫にあたる、元外交官で国際政治アナリストの飯村豊氏(79)が『祖父が卑劣な人間に描かれ、名誉を毀損している』として抗議しているのです。史実では研究所で自由闊達な議論を推奨したとされている所長ですが、本ドラマでは、日米が開戦した場合のシミュレーションの結論を覆そうとする抑圧的な人物として描かれていたのです。

 

昨年8月のドラマ放送後に飯村氏は抗議の意を示す記者会見を開き、放送倫理・番組向上機構(BPO)に申し立てる意向を表明。また同氏は昨年12月に『祖父の名誉が傷つけられた』として、NHKや映画監督、制作会社を相手どって550万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こしていたのです」(全国紙文化部記者)

 

今年6月上旬に映画公開日が決定した際、同作の公式サイトでは製作委員会による声明が公表された。ドラマ版が裁判において係争中であること認めたうえで《しかし、本作によって特定の個人を糾弾したり、名誉を毀損したりする意図は全くなく、私たちの主張の法的正当性は裁判において認められるものと強く確信しております》と主張。飯村氏の主張についても《これらは原告の一方的な見解に基づくものであり、本製作委員会として断じて受け入れることはできません》と強調していた。

 

■「史実歪曲ドラマはこうしてつくられた」

 

いっぽう、同じく6月上旬に本誌の取材に答えた飯村氏は《係争中にも関わらず映画公開を強行しようとしていることに対して、被害者である私は深い憤りと怒りを感じています》と強く非難。遺族が抗議しているのを尻目に、今年5月開催のカンヌ国際映画祭の映画見本市で本作が売り込まれていたことなど、NHKサイドの不誠実さを糾弾していた。

 

また飯村氏は、6月中旬に『総力戦研究所の真実――歴史の法廷に立つNHK』(筑摩書房)というタイトルでNHKに対する“告発本”を出版し、その憤慨を綴っていた。

 

「筑摩書房の公式サイトでは書影の帯に《史実歪曲ドラマはこうしてつくられた》と大きく記され、同書の内容については《総力戦研究所所長・飯村穣を卑劣な人間として描いた史実歪曲ドラマはなぜ作られたのか。NHKと映画監督の制作姿勢を告発し、研究所の机上演習の真の姿に迫る》という紹介がなされています。

 

本書では、第1章から第3章に至るまで今回の事件に関する経緯がドキュメンタリー形式で詳細に記されているほか、豊富な資料に基づいて祖父の真実の姿が描き出されているようです。同サイトに公開された目次によると、第4章の最終節は《NHKは責任逃れのため、雲隠れをしている》という見出しが付けられており、公共放送を担うはずのNHKの無責任さと歴史の歪曲を強く非難しているといいます。

 

以上のようなここ最近の経緯を踏まえると、プレミア上映会の中止は『運営上の事情』というあいまいな表現がなされていますが、飯村氏との係争が影響した可能性は否定できません。とはいえ公開時期に変更はないため、NHKサイドと飯村氏との対立はいまだに平行線をたどっている状況です」(前出・全国紙文化部記者)

 

劇場公開を直前に控え、同作はまだまだ波乱を呼びそうだ。

 

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出典元:

WEB女性自身

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