「内親王、女王にも皇位継承資格を認めるのは自然な流れと思われます。その場合の継承順位は、直系長子を優先とすればいいのではないでしょうか」
こう語るのは東京大学名誉教授で、日本中世史研究者の本郷恵子さんだ。
7月17日の参院予算委員会で蓮舫議員の質問に対し、高市首相は法案が前提とする“国民の総意”を得た根拠を問われ、「有識者会議の議論」を経たことを挙げた。しかし、その有識者会議(2021年4月21日)でも、冒頭のような意見を述べていたのが、本郷さんだった。
「まず前提として、実際に秋篠宮殿下が皇嗣殿下になられた現在、(皇位継承順位を)変えられるのか否かは、私にもわかりません。しかし、これだけ『愛子天皇』を希望する世間の声が出ているということは、やはりきちんと考えなければいけないことです」
今回の皇室典範の改正で「国民の違和感は増していくだろう」と指摘する。
「天皇は明治維新で国家元首となり、戦前は畏敬の対象でしたが、敗戦後は“人間宣言”をされました。平成の天皇からは、国民の理解や支持、親しみを得る存在へと変わりました。恋愛結婚をして幸せな家族を築くという、モデルファミリーになられたんです。そこに直系の“お嬢さま”がいらっしゃるのに、何十親等も離れた方を養子に入れるのは、現代を生きる私たちの家族観からすれば、まず受け入れられないでしょう」
では、女性皇族が結婚後も皇室に残れるという改正点を、どう評価しているのだろうか。
「女性皇族が単独でしか残れず、配偶者やお子さんが皇族になれない形となったので、ご家族の一体感は保持できるのでしょうか。責任感の強い方であればあるほど結婚に踏み切れなくなってしまう恐れがある。さらに皇籍も一代限りでその先がないのも、問題だと思います。
女性皇族に皇籍を残すのであれば、その配偶者やお子さんも皇族とすべきです。つまり、以前に議論の対象となっていたはずの『女性宮家』を議論すべき時期であると思います」
本来、女性天皇の誕生と、「女性宮家」の確立は不可分だという。そのうえで、本郷さんはこんな警鐘を鳴らす。
「愛子さまの能力の高さ、人格の素晴らしさは言うまでもないのですが、『だから天皇に』というロジックは間違いです。仮に、今後“素晴らしい人格の養子”が出てきた場合、どう考えるべきなのでしょうか。
天皇というのはあくまで『血筋』でなるもの。だからこそ、お生まれになったときから天皇になられるためのご自覚を培うことが大事なんです。人気投票のように持ち上げるのではなく、『天皇の直系としてお父さまたちから何をご教示されてきたか』という本質的なお育ちの重みを見るべきです。
天皇の世襲というのは、人権も制限される中で『運命を引き受ける』という非常に迫力のある生き方です。たまたま15歳以上だから自由意志で養子を取ればいい、という議論とは次元が違うのです」
画像ページ >【写真あり】国民から愛される愛子さま(他1枚)
