元文部科学事務次官で現代教育行政研究会代表の前川喜平さん 画像を見る

「私は、天皇陛下を第3代天皇だと考えています」

 

そう語るのは、元文部科学事務次官で現代教育行政研究会代表の前川喜平さんだ。

 

今年4月に行われた自民党大会で、高市首相は「126代にわたって、『男系』で皇統が継承されてきたという世界でも比類がない歴史的事実こそが、天皇の権威と正統性の源」と語っていた。しかし前川さんはこう指摘する。

 

「象徴天皇は日本国憲法下でのものですから、神武天皇から数えて126代とすべきでなく、昭和天皇から数えて天皇陛下が3代目とすべきと私は考えます。旧憲法の主権者は天皇でしたが、敗戦後の日本国憲法で主権者は国民に移り、天皇は国民の総意に基づく象徴になったのです」

 

昭和天皇が1946年に「人間宣言」を行い、全国を巡幸し、国民と直接触れ合った。

 

国民と寄り添う象徴天皇として昭和天皇を初代、上皇さまを第2代、天皇陛下を第3代と捉えるべきだという。

 

「今回成立した改正典範は約600年もさかのぼった親戚を養子にして、その子どもが男子であれば皇位継承資格があるとしたもの。これは、『皇位は、世襲のもの』と定めた日本国憲法第2条に明確に違反します。また、特定の門地と性別の人だけを取り上げて皇族への道を開くというのは、第14条の『法の下の平等』にも違反し、男女平等でもありません」

 

3代に受け継がれた象徴天皇のあり方は、日本国憲法の「非戦の誓い」と切り離せないものだという。

 

「天皇ご一家は、被災地で被災者と同じ目線でお話を聞かれたり、第二次大戦の激戦地への慰霊の旅をされたりと、80年にわたり平和を願いご努力されてきた。政治的な発言に制限のあるお立場において、美智子さまが’95年に全国植樹祭で読まれた御歌が忘れられません」

 

その御歌とは《初夏の 光の中に 苗木植うる この子どもらに 戦あらすな》というものだ。

 

「末尾が命令形で、非常に強いお言葉で平和を願われている。平和憲法の象徴として、いかに行動すべきかを追求してこられた重みは、象徴天皇の3代にしかないもの。

 

一方で、改正典範により15歳以上になって養子となる人は、こうした象徴としての努力や伝承をされていないでしょう。とても、国民の支持を得られるとは思えず、皇室そのものを危うくするのではないかと危惧します」

 

前川さんは皇室典範を再改正するべきだと考えている。

 

「多くのヨーロッパの王室と同じように、男女を問わず『直系長子優先』の継承原則を定め、女性・女系天皇への道を確立すべきです。直系長子優先になれば、皇位継承の第一順位は愛子さまになります。その際の手続き変更は当然発生しますが、愛子さまが天皇になられるのが自然だと思います」

 

前川さんは今回の法案成立を、「皇室典範改悪」と言い切る。

 

「世の流れに反して男尊女卑を強める方向に向かっており、多くの国民が政府に不信感を持ちました。次の選挙では争点が『皇室典範の再改正』となるよう、声を上げ続けるべきです」

 

画像ページ >【写真あり】仲むつまじい天皇ご一家(他1枚)

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