7月28日午後4時27分頃、マグニチュード7.1、最大震度7の激しい揺れが熊本県を襲った。一夜明けて被害の状況が徐々に明らかになってきている。
「交通は大混乱に陥りました。九州道や南九州道など高速道路5地点で通行止めが発生。九州各地の国道も通行止めになりました。28日はJR九州管内の新幹線、在来線が全線で運転を見合わせました。29日も九州新幹線は熊本で運転を取りやめています。熊本空港も滑走路が閉鎖され、熊本発着便は計14便が欠航しました。
ライフラインも被害を受けました。29日午前9時半時点で、熊本県内で4万8530戸超が停電し、約8万3320戸が断水しています。九州ガスは八代市の約9000戸を対象に都市ガスの供給を停止しています」(社会部記者)
死者も発表され始めている。
「同県嘉島町の『イオンモール熊本』では地震後に爆発があり、2階部分が崩落。多数の人が閉じ込められました。8人が救助されましたが、その後、2人の死亡と1人の心肺停止が確認されています。建物の設備からLPガスが漏れたのが原因とみられています。同県八代市の日本製紙八代工場では煙突が崩落。従業員ら11人が閉じ込められ、4人が救助されましたが、2人は心肺停止状態で2人は重症。7人は安否不明のままです。高市早苗首相は29日午前『死者13人が確認された』と明らかにしています」(同前)
2016年にも最大震度7の大地震が熊本を襲った。今回の発生のメカニズムを専門家はどう分析するのか。東北大学・遠田晋次教授はこう語る。
「おそらく日奈具(ひなぐ)断層帯という、活断層のごく一部がずれ動いて起こった直下型地震だと思われます。今回は、10年前の熊本地震で動いた布田川(ふたがわ)断層に隣接する部分が動きました。布田川断層が動いたことによって、日奈具断層に歪が加わっていたのです。そのため、小さい地震はその後もずっと続いていました。つまり、前の地震の活断層の“割れ残り”が、今回、大きな地震につながったということです。広い意味で、10年前の“余震”と位置付けられると思います」(以下、「」内は遠田教授)
活断層の“割れ残り”はいまも残っている。それが“次の大地震”を引き起こす可能性があると、遠田教授は警告する。
「日奈具断層帯は長さが約80km。今回、ずれ動いた区間は20kmぐらいです。熊本県南部の八代海まで断層は続きますので、そちらの“割れ残り”が再び動く可能性は十分にあります。前回は最初に震度7の地震が起きてから28時間後に、再び震度7の大きい地震が起きました。今回は前回以上の、たとえばマグニチュード7.5クラスの大きな地震が起きる可能性もあります。厳しいですが、科学的にはそれは明らかです」
ただ、日本各地で巨大地震が起こる可能性はあるという。
「活断層は日本全国、どこにでもありますからね。たとえば、同じ九州だと福岡県に警固(けご)断層がありますが、この活断層は2005年にマグニチュード7.0の福岡県西方沖地震を起こしています。ここでも活断層の“割れ残り”が残っています。31年前に起きた阪神淡路大震災の震源域でも断層がすべて動いたわけではないので、“割れ残り”はあるでしょう。再び大きな地震が来る可能性はあります。10年、30年というと長く感じますが、活断層の動きからすればほんの一瞬なのです」
余震の危険と背中合わせの現場で、警察、消防、自衛隊による必死の救助活動が続けられている。
画像ページ >【写真多数あり】「粉砕された瓦礫で、まるで砂場のように」イオンモール熊本の悲惨な現状(他7枚)
