私の唯一の親友がいるニュージーランドに来ています。初めて訪れる南半球です。ニュージーランドの国土面積は日本の約7割で、羊の数が人の数より多い国。人口約450万人に対して羊はなんと約3千万頭もいるのです。ざっと計算しても、人口1人に対して約7頭の羊がいることになります。実際、車で郊外を走ると見たことのない数の羊の群れに遭遇したりします。
そういう意味で、ニュージーランドは人間よりも大自然や動物が主役の優しい国で、またナチュラルでシンプルなライフスタイルを追求する人が世界中から集まった国です。友人が住んでいるのはロトルアという湖畔の街なのですが、自宅から眺める景色はまさに絶景。その大自然が贈り続けてくれる愛とパワーがもう素晴らしすぎて、自分の魂が喜んでいるのを感じます。
私は海外に旅に出るといつも感じることがあります。それは過去の自分の延長線上に今の自分がいるのではなく、未来の自分の可能性から今の自分が導かれるということ。みなさんにも経験があると思いますが、自分が生まれ育った場所にいると過去の自分に慣れ親しみ、縛られ、その延長線上でしか自分の未来を見出せないもの。いっぽう旅に出るとたったの数日で日ごろの悩みなどすっかり忘れ、リセットできます。
そのとき私が思うことは、自分には「二人の自分」がいるということ。一人は「過去に縛られた自分」で、もう一人は「未来につながった自分」です。みなさんはどちらの自分とつながっていますか。どちらの自分が、みなさんの選択と行動の源になっていますか。その源がどちらかによってみなさんの未来は大きく変わっていきます。一度、自問してみるとよいでしょう。
もし今の自分が「過去に縛られた自分」に基づいて未来を考えているなら、今日からは「未来につながった自分」を意識してみてください。未来から導かれた自分には、過去の自分には思いもしなかった無限なる可能性が秘められているはずです。あとは夢を描き、つながること。夢とつながることは未来とつながることで、未来とつながることは使命とつながることです。自分の使命とつながった人は今やるべきことがわかっていますから、どんなときもブレたりしません。
夢は「在りたい自分」であり「成し遂げたいこと」。夢が大切なのは、それが常に未来志向的だからです。未来志向ということは、自分の決断と行動によって変化できる可能性を見出せることを意味します。自分の決断と行動によって人生や世界に影響を与えられることを意味します。ここでいう影響とは自分が生み出す世界に価値をもたらすこと。それこそが自分の存在意義となり、この世に生きた痕跡となっていくのです。
そこで夢を描くときに心がけたいことがあります。それは、夢を描くときは常に心を主にして頭を従にすること。頭は心の僕として、心の行きたいところに自分を届けてくれる運転手であるべきです。夢は、頭ではなく心とつながったときに本物の夢となっていくのです。生きている限り、私たちの前には無数のスタートラインがひかれています。スタートを切らないとゴールには到達できません。しかしその最初の一歩を踏み出すことは、決して簡単なことではない。
昔の自分は何をやり遂げたかで人生の価値を測っていました。しかし今の自分は何を始めたのか、何に挑戦したのかで測るようになりました。挑戦は未来の自分の可能性への信頼であり、それ自体で美しいもの。みなさんも、今年は新たな挑戦に挑む1年になることを祈ります。
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