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人間は、広い世界のほんの一部で生きている。
全てを知ることはできない。
世界のどこかには、自分の知らない何かを熱狂的に愛してる人がいる。研究する人がいる。
そんな人が集まると、小さなブームになる。
誰かの世界を、少しだけ覗いてみちゃおう。
それが「うさこの覗いた世界」なのだ…!

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今、わたしたちにとって“ゲーム”は身近なものだ。
暇だなと思えば、スマートフォンで簡単に時間を潰せる。
配管工になってお姫様を救ったり、戦士として地球を守ったり、カードゲームをしたり、
何だってできるし、何にだってなれるのがゲーム。
だが、かつてゲームはこんなに身近なものじゃなかった。
どこか特別なところへ行かないとできない、限られたもの。
だからこそワクワクするし、みんなが夢中になった。
1960年代、人々を魅了したゲーム…それが「ピンボール」だ。

それはアメリカからやってきた風雲児だった。

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さながら「卓上の小さなアメリカ」といっても過言ではない、アメリカ感丸出しのフォルム。
左右のバーを動かしボールを落とさないで点を取るというシンプルながら奥が深いゲーム性。
たちまち一世を風靡し新しい機種が生産されていくなか、ピンボールはどんどんド派手に進化していった。
特定のところにボールを当てるとライトがビカビカ光る独特な演出。回り出す人形。
ピンボールならではの世界観がどんどん色濃く構築されていったのだ。

簡単にゲームができるようになった今でも、この古き良きアナログゲーム・ピンボールワールドに熱狂する人がいる。
大阪の心斎橋BIG STEPにある“The Silver Ball Planet”ではピンボールが約100台常設されたいわば“体験できるピンボール博物館”だ。

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熱狂的ピンボールマニアによって集められた台。
「プレイボーール!!」「YOU DID IT!!」とノリノリすぎる英語の音声や謎の爆裂音が響き渡りガチャガチャしたライトに包まれた、他のフロアとは明らかに異質な空間が広がる。
週末には時折大会が開催され、ディープなピンボールマニアからふらっと立ち寄ったカップルまでが参加するそうで、訪れる女子も少なくないらしい。

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ノスタルジックなアメリカ然としたピンボールは、若者から見れば“逆に新しくてオシャレ”なのである。

そんな100台のなかから、とっておきの機種を選んでまいりましたのでご紹介いたします。

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【欲張り系台】
HAUNTED HOUSE(1982)

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大人数で楽しめるようにらしいが、まずバーが4個ある時点で相当な欲張り感だ。

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さらに通常の台と、地下と2階がある。
3フロアを縦横無尽に駆け回るボール…忙しすぎるわ!!!
目が回りそうな初心者はボロ負け必須の難易度★★★ピンボールだ。
終わった時に流れる物悲しい音楽がより切なさを倍増させる。

【ピンボールの常識覆しすぎ系台】
BANZAI RUN(1988)

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こちらは垂直にステージが広がる。

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縦ステージは重力が加わるためボールが落ちるときは剛速球。
これを捕らえるのは至難の業である。
アナログゲームにしかない立体感を楽しめる、とんだ鬼畜台だ。

【ヒーロー登場にアツくなる系台】
IRON MAN(2010)

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一定の条件を満たすとなんと地下からアイロンマンが出現!!

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主役が下からせりあがってくる臨場感は激アツだ!
しかしせっかく出てきてくれたのに何もできずにいるとすごすごと帰ってしまい大変申し訳ない気持ちになる。

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大会で優勝するようなピンボールマニアたちにとって、
ピンボールは小手先でボタンを押すだけのゲームじゃない。時には台を揺らし、ボールを全身でコントロールする“スポーツ”だ。
高得点を取る…その先にあるのは、条件をクリアしなければ見られない仕掛け。
その先の景色を見るために、マニアは腕を磨く…。
なかなか全てを見ることができない、奥深すぎるピンボールワールド。
“体験できる博物館”で、その片鱗に触れてみてはいかがだろうか?
ゲームの域を越えた機械ショーを見られるはず!…腕がよければの話だが。

The Silver Ball Planet
大阪・心斎橋BIG STEP 3F
http://big-step.co.jp/shop/detail/44/

米原千賀子

ライター兼イラストレーター。へっぽこな見た目とは裏腹にシビれる鋭いツッコミで世の中を分析する。人呼んでうさこ。常に今日の夜ごはんのことを考えている食いしん坊健康オタクな一面も。webマガジンNeoLなどで連載中。

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