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東日本大震災からまる5年経ちました。福島第一原発事故が発生し、未曾有の被害がもたらされ、その影響は未だに続いています。これだけの大惨事が起きながら、原発安全・放射能安全キャンペーンは加速し、再稼働や強制帰還という問題が生まれています。また、除染で出たゴミの山の問題も深刻です。

新たに6年目を迎えた翌日の3月12日に、わが家で「オフグリッドセミナー&見学会」を開催しました。14名の方々がご参加くださり、オフグリッドという考え方・暮らし方・生き方を知っていただき、この生活がもたらしてくれる豊かさや安心感についてお話ししました。

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太陽光パネル、バッテリー、インバーター、充電コントローラーの電力自給の四種の神器をご紹介して、太陽光発電による電力自給システムを実際に見ていただいたり、ソーラークッカーを使っての調理とその試食をしていただいたりと、化石燃料に頼らない新しい暮らし方を、五感をフルに使って見て聴いて触れて味わっていただきました。

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参加者のみなさんも原発事故をきっかけに電氣と向き合うようになり、自然と調和した暮らしを考えるようになったそうです。そして、オフグリッドという新しいライフスタイルに出会い、希望を見出すようになったとのこと。20アンペア生活をされている方、電力自給キットを購入してプチオフグリッドをされている方、現在オフグリッドハウスを建築中の方、今後電力自給生活をしたいと考えている方など、とても意識が高く地球を大切にしている方々にご参加いただき、わたしの方が刺激をいただきました!

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地球の奥底で眠っている石油や石炭や天然ガスやウラン。電氣をつくるために、地球は傷つけられてその体内から掘り出されます。また、これらの資源を持っている国は狙われ、戦争やテロが起きます。何の罪もない地球や人々が犠牲となるいまの発電方法は、多くの問題を抱えていて、この電氣のつくり方からいち早く脱却することがとても大切です。

太陽光発電を土台としたわが家のオフグリッドな暮らしは、ただそこに存在する太陽という天の惠みで、既存の電氣やガスに代わるネルギーを得て、豊かに楽しく普通に暮らしています。太陽と共に生きる喜びや、自分たちでエネルギーを生みだす楽しさや、自立している安心感は格別なものがあり、多くの方々にこのような暮らし方を知っていただき、仲間となって広めていきたいと思っています。

〝戦わずして闘う〟
〝喜びや希望や光で人々を巻き込んでいく〟
これはわたしがとても大切にしている戦法です

戦いの時代を終焉させるためには、まずわたし自身が戦うことを放棄する必要があります。ですから、電力会社を敵とみなし、攻撃を仕掛け、批判や罵声という武器で戦うことはしません。敵という対象をつくりあげて二元対立させ、競い争い戦い続けてきたのがいままでの時代です。もうこのような時代に終わりを告げ、平和な闘い方で平穏な社会を築くときがやってきました。この「闘う」という言葉は、「取り組む」という意味が近いかもしれません。原発の恐怖に身を縮めて内側にこもるのでもなく、電力会社に怒りをぶつけて外側に求めるのでもなく、平和で健やかな未来を望む純粋な心と熱い信念に伴う行動で、どれだけ日々の暮らしに実践として組み込むか。このような意識でみんなが動き出せば、確実に社会は変わっていくと思っています。

いまの子どもたちが大きくなったときに、誇りをもって言いたいこと

以前、あるウェブマガジンの取材を受けたときに、ライターさんから面白い質問をされました。
それは、「グリッドを切ることに躊躇してしまう人と、思いきりよく決断できるサトウさんでは、何が違うのでしょうか?」という問いでした。
わたしは次のようにお答えしました。
「満足できなかったらどうしよう、失敗したらどうしよう、損したらどうしよう、という不安がないからだと思います。わたしは、よいと思ったことを生活に取り入れることで得られる喜びや希望、ワクワクの方に目が向いて、やりたくてウズウズしてしまいます。不安に生きるのか、喜びに生きるのか。ただそれだけの違いなのだと思います。」

希望や喜びや光から生まれる想いや行動は、佳き未来の種です。このような意識で生きることを選択する人が増えれば増えるほど、その種はたくさん蒔かれ、数年後数十年後に佳き未来という稲穂を収穫することができます。いままでは、欲望や競争という意識が生みだす悪い種を蒔き続けてきました。原発事故は、まさにその悪い種が実った稲穂です。まずは、その悪い種が生み出したものをきちんと解決して、それと同時にどんどん佳き種を蒔くことが重要だと思います。オフグリッドはまさにその種です。

あの日から5年。
オフグリッドという言葉が勢いよく世に広まり始め、興味を持ってくださる方々とこんなにたくさん出逢えていることに、わたしは大きな希望を感じています。着実にその種は大きく膨らみ始めていることも実感しています。

わたしには夢があります。それは、いまの子どもたちが大きくなったときに、誇りをもって次のことを言える社会にすることです。

3.11があったからこそ、危険な原発がなくなったんだよ。
3.11があったからこそ、地球に優しくなれたんだよ。
3.11があったからこそ、これだけ平和な社会になったんだよ。

オフグリッドという佳き未来の種を受け取ってくださる方、一緒に蒔いてくださる方、ぜひ手を繋ぎ合いましょう!

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