ベスを演じるアニャ・テイラー=ジョイは、大きな瞳と笑わない演技で視聴者をくぎ付けに。 画像を見る

家の中で楽しめるエンタメや流行を本誌記者が体験する“おこもりエンタメ”のコーナー。今週は、今年10月下旬にNetflixで全7話が一挙に独占配信されるや、たった28日間で約6,200万世帯がチェックしたという、チェスをテーマにした大ヒットドラマ『クイーンズ・ギャンビット』をご紹介します。

 

■Netflixオリジナルシリーズ『クイーンズ・ギャンビット』独占配信中

 

’50年代アメリカ。母親を事故で亡くし、9歳で児童養護施設に入所したベスは、用務員のシャイベルからチェスを教わり、めきめきと腕を上げます。やがて養子縁組された先で全米各地のチェス大会に出向き、賞金を稼ぐように。しかし精神安定剤とアルコールがなければ集中力を保てないほど、ベスはボロボロになっていました。

 

クイーンズ・ギャンビットとはチェスの定跡名。劇中多くのチェス用語が飛び交いますが、用語を知らなくてもドラマはしっかり楽しめます。理由は、独特の美学が貫かれた世界観にあります。

 

背景が、暗い深緑色の児童養護施設から明るいブルーの養母の家へ、そしてカラフルなホテルへと変わっていき、ベスもどんどんおしゃれになっていくので、見ていて飽きません。

 

真剣勝負に懸ける10代の娘と、酒好きな養母の珍道中もまた魅力的で、緊張高まるチェスの試合とは対照的に、まるでコメディのよう。なにより、男ばかりのチェス界で、ベスが余裕で男たちを負かしていく小気味よさといったら……。

 

ラストのロシア人との優勝決定戦まで、ひと時も目が離せません。

 

(文:西元まり)

 

「女性自身」2020年12月29日号 掲載

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