制服姿のかわいいOLが、コップにぶら下がったり、腰をかけたり。ちょっとお色気があるようでないような不思議なキャラクターが「コップのフチ子」。累計10万個を超えればヒットといわれるカプセルトイの世界で、’12年7月の発売からすでに440万個以上を売り上げる、メガヒット商品になっている。

 

「カプセルトイのお客は、固定ファンが占める割合が比較的多いんです。ところがフチ子に限っては、おじいちゃんが孫のために買ってあげるとか、ふだんカプセルトイをやらない方たちも、幅広く買ってくださっているようです」

 

と、販売元・奇譚クラブで商品開発を担当した竹内優さんは語る。キャラクターをデザインしたのは、マンガ家のタナカカツキさん。奇譚クラブの主宰・古屋大貴さんが、ぜひタナカさんと仕事をしたいと願い出たところから、この企画は始まった。

 

「タナカさんからアイデアをいただき、ポーズをどうしようかと、原型師さんと相談しながら肉付けしていきました。その工程がいちばん難しかったですね。原案がよかったので、味付けはいらない。ひねらず“刺身”で出そう。フチ子のかわいさを損なわないように、と」(竹内さん・以下同)

 

実用性はないが、コップだけではなく、パソコンやデスクまわりなど、どこでも飾っておける。また、フチ子さんを被写体に使った写真コンテストをツイッターで開催したところ、大人気を博した。3回目となる最新回では、6千通を超える応募があったという。

 

「ジオラマの中にフチ子がいたり、フチ子だけで組み体操をしたりしているような、すごい写真がありました。モノとして隙があり、自由に遊べるところが、かえってよかったのではないかと思います」

 

子供のころからおもちゃが大好きで、趣味の延長でこの仕事についたという竹内さん。「仕事ですから、大変なこともありますよ」と言いつつも、フチ子さんや自社のフィギュアに囲まれて幸せそうだ。

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