群馬県・赤城山の南側で“シロクロ模様”のホルスタイン牛3千頭を肥育する小堀正展さん(34)は、’11年3月から自営牧場で肥育した牛に、「低脂肪牛」というキャッチーなネーミングを付けて、ネットや直営レストランで精肉や加工品を販売している。

 

ホルスタインの去勢雄牛は、精肉の中で「国産牛」と呼ばれるカテゴリーに入る。特徴は和牛のようにサシ(脂肪)の入った霜降りではなく、赤身が多いこと。そのため、A5ランク和牛と比べてカロリーは半分、脂肪率も3割程度とぐっと低い。まさしく“低脂肪牛”なのだ。

 

「霜降り至上主義の世の中だけど、脂だけが牛の味を決めるわけではないんです。肉本来のおいしさを味わえて、低脂肪分・高タンパク質の赤身肉も魅力的なうまさがある」(小堀さん)

 

和牛に比べて安く取引される国産牛。平均卸値では和牛の3分の2程度だ。狂牛病の流行以来、口蹄疫、大震災……とアクシデントが続き、価格は下落の一方。そこで、小堀さんは6次産業化に踏み切った。おいしく食べる方法も提案して、国産牛はヘルシーでおいしいという「新しい価値観」を作ることにも力を入れている。

 

「国産の赤身肉はもっと評価されていい。それを知ってもらうためには、料理法の工夫やアピールが必要。愛情をかけて育てた牛ですもん。命をいただく以上は、おいしいと喜んで食べてほしい」

 

低脂肪牛は、自社直販のウェブサイトで販売するほか、地元や東京・赤坂の直営店レストランでリーズナブルに堪能できる。ステーキやハンバーグを食べたお客からは「こんなにジューシーなのに、もたれない。いくらでも食べられる」と好評だそう。

 

「評価が高いのはハンバーグ、味がわかる人もうなるのはビーフシチューですね。ローストビーフもうまい。この値段で出せるのって驚かれますよ」

 

小堀さんの情熱が、日本の牛肉の価値観を大きく変えそうだ。