「年とともに黄ばんできた」「隙間が開いてきて、老けて見える」……メークではごまかせないから、年齢が如実に出る歯。真っ白な歯は理想的だが、それでも自分の歯は残しておきたいもの。しかし、虫歯や歯周病などの進行により、残念ながら歯を失うことは珍しくない。そんなとき、自分の歯の代わりとなるのが義歯だ。

 

義歯には、部分入れ歯、ブリッジ、インプラントという選択肢がある。どれを選ぶのがいちばんいいのか?そこで、岡山歯科医院院長で医学博士の岡山正明先生にそれぞれのメリットとデメリットを聞いた。

 

【ブリッジ】

「最も一般的なブリッジは、欠損した部分の両隣の歯を削り、橋架けするように義歯を入れる方法です。使う素材によりますが基本的には保険治療なので、治療費は別にして1万円程度で作ることができます。ブリッジの最大のデメリットは、欠損した歯の両隣の歯のエナメル質を削ってしまうことです。エナメル質は虫歯になりにくいとても硬い部分なので、そこを削ることで、虫歯になりやすい状況を招くことになります」

 

【入れ歯】

「入れ歯というと総入れ歯を思い浮かべる方も多いようですが、1本からできますし、前歯にも使えます。欠損部分の両隣の歯に鉤という輪っか状のバネをはめ、義歯の安定をはかります。保険が利き、1本6千円程度(治療費などを除く)とお安くできるのがメリットですね。ただ、歯は削らないものの、バネをかける両方の歯が丈夫でないといけませんし、バネの力が加わることで丈夫な歯に余計な負担がかかることは否めません」

 

【インプラント】

「インプラントとは、チタンでできた根の部分をアゴの骨に結合させて土台とし、その上にかぶせもの(歯)を作る方法です。土台から作るので、安定感はありますし、自分の歯のように使えるところがいちばんの利点です。ただし、インプラントは外科手術が必要になるので、土台となるアゴの形状や全身疾患の有無も関係し、すべての方に適用できるわけではありません。保険で認められていないので、1本あたり20万円以上かかります」

 

すべての歯をインプラントにした場合、安くても560万円……!どれも一長一短があるので、悩ましいところ。

 

「見た目や費用、扱いやすさなど、自分が何を重視しているかを医師に伝えることが大切。疑問があれば質問するなど、治療に対して積極的に関わることも、よい治療につながるのではないでしょうか」

 

まずは歯を失わないよう努力することが、健康にも財布にもベストな選択といえそうだ。

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