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第二次世界大戦の終結から70年という、大きな節目を迎えた’15年。そこで、本誌は戦後70年に見たい作品を、著名人に薦めていただきました。

 

「この映画の中で興味深いのは、原爆が投下され、町が悲惨な状態であるにもかかわらず生き延びていく、子供たちの生き生きとした姿。そして戦災孤児をゴミのように扱う意地悪な大人がいる一方で、いい大人もいる。戦前からあった社会の冷たい風、歪みのようなものまでしっかりと描かれた、すばらしい映画です」

 

『はだしのゲン』は、原爆で家族を亡くしながらも、たくましく生きる少年・ゲンの姿を描いた作品。「生きるという望みさえ捨てなければ、絶対に道は開ける−−」。そんな一本、筋の通った作品だと語ってくれたのは、歌手の加藤登紀子さん(71)。

 

「子供たちには、子供の目線で見た戦争というものがあります。映画では、その子供たちが冷静に大人や社会を見ているところまで、リアルに描かれています。この作品が多くの人の心に響く理由は、そこにあるのだと思います」

 

解釈改憲によって近い将来、集団的自衛権が行使されようとしている。

 

「日本の社会はずっと平和な時代が続いてきたから、国とは恐ろしい一面がある、と感じずに済んできた。本来、それはすばらしいことなんです。世の中が『国、国』なんていう時代は、いつもろくなことがない時代ですからね。だから『いい国にしましょう』とか『強い国にしましょう』と、国がしゃしゃり出てくるようになったら、時代がよくないほうに向かっていると思っていたほうがいいでしょう」