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「野菜価格の高騰は今に限ったことではなく、春からずっと続いています。当社でも一時期、キャベツの市場価格が高騰したとき、宅配需要が急に伸びたことがありました。消費者が市場価格と比較しながら、宅配サービスにシフトすることはあると思います」

 

こう語るのは、有機野菜や無添加食品の宅配サービスを全国展開している「らでぃっしゅぼーや」の広報担当者。野菜の価格が高騰を続けるなか、安定した価格で野菜を供給してくれる定期宅配サービスだ。

 

同社は、全国2千500軒の農家と契約し、約140種類の農作物を扱っている。こうすることで、たとえばある地域で、キャベツが天候不順のために不作になった場合などは、別の地域から補てんすることができる。そのため、野菜が足りなくなるという事態は、まず起きないという。

 

「市場の野菜には相場がありますので、つねに価格の変動が起きています。しかし当社の場合は、一般の市場とは違う仕入れ、買い方をしています。仕入れの半年前に農家さんに対して『この値段でお願いします』という契約を結んでいるのです。したがって、市場で野菜の価格が高くなっても、いつでも決まった値段で提供できるのです」(「らでぃっしゅぼーや」の広報担当者)

 

また、野菜の価格高騰を乗り越えるために有効なのが、ベランダ家庭菜園。

 

「自宅のベランダで、簡単に野菜を栽培する方法があるんです。苗から始めて2〜3週間もすれば、食べられる状態になりますよ。それは、培養土を袋のまま使う方法。プランターも使わずに、野菜を育てることができます」

 

そう話すのは、『趣味の園芸』(NHK)や『世界一受けたい授業』(日本テレビ系)などに講師として出演している、恵泉女学園大学教授の藤田智先生。

 

まず用意するのは、畑で使うための培養土。ホームセンターなどでは、14リットル入りの土が安ければ200円程度で売られている。この袋に入った土を移し替えずに、そのまま使うのがポイント。

 

土の袋を横に寝かせた状態にして、水はけのため、キリなどで20カ所程度、穴を開ける。そして袋をひっくり返し、上になった面の6カ所に10センチ四方の四角い穴を開け、その部分の土を少し取り除く。そして、袋を上段と下段に分けて、それぞれ3カ所ずつ穴を開ける。

 

「次に野菜の苗。ワケギや春菊、水菜など鍋物に使う野菜と、秋に値上がりが予想される、サニーレタスやサンチュなどの苗を用意しましょう。苗は、それぞれ70円程度で買えます」(藤田先生)

 

上段の3カ所にはワケギや春菊などの苗を植えて「鍋物野菜コーナー」にする。下段は「値上がり野菜コーナー」として、レタスなどの苗を植える。これをベランダに置いて、待つだけ。ただし、水やりは忘れずに。注意点は、「やりすぎないこと」。

 

苗から始めれば、2〜3週間で収穫できるほどになる。収穫の際には、食べられる部分を3センチほど残して、上の部分だけをハサミで切るようにする。こうすることで、残した部分がまた成長し、それを収穫することができる。2〜3週間に1度のペースで、3〜4回は収穫できるそうだ。

 

これらを参考に、「野菜の値上がり地獄」を乗り切ろう!

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