「いい時代になったものです。地球のどこにいても、面白い地方の番組が見られるようになったんですから!」
そう語るのは、地方番組ウオッチャーの大本知司さん。’15年12月から、映像配信サービスの「GYAO!」が、地方の人気テレビ番組を一覧できる特集ページを開始したのだ。特設サイトの名前は「ご当地テレビ特集」。大本さんによれば、地方からスタートして全国的な評価を得た番組は、これまでにもたくさんあったという。
「有名なのは、何といっても『水どう』こと『水曜どうでしょう』です。北海道テレビで’96年から放送され、インターネットの普及と相まって全国的な人気を博しました。BSを通じて日本全国で放送されただけでなく、アメリカや台湾でも放送されました」
当初、北海道のローカルタレントにすぎなかった大泉洋はこの番組に出演したことがきっかけとなり、大ブレーク。大河ドラマに出演するなどの活躍を見せているのは、ご存じのとおり。それでは今回のご当地テレビ番組で、おすすめのものは何か? 大本さんに聞いた。
「ご当地テレビ番組は、大きく3つのジャンルに分けられます。ひとつは、全国区で活躍する人気芸能人が、地方の“ゆる〜い”ノリで出演しているもの。よゐこの濱口優が出演している『濱口女子大学』や、太田光と上田晋也のトーク番組『太田上田』がそれです。人気者の意外な一面が見られるため、ファンにはたまらないと思います」
2つ目は、地元愛を前面に押し出した作りの番組。情報番組、バラエティなど種類はさまざまだが、共通するのは地元を応援する気持ちだ。
「『SKE48の岐阜県だって地元ですっ!』は、岐阜県出身のSKEメンバーが県内を訪れます。『FC今治チャンネル』は、地元サッカーチームを熱烈に応援する番組です」
そして3つ目は、地方色をコテコテに強めた番組。
「このなかでは、関西テレビの『実録!オンナの○○事件簿!』。昔のワイドショーでよく見られた、愛憎ドロドロを描いた再現ドラマは、やはり関西ならでは。また北海道テレビの『雅楽戦隊ホワイトストーンズ』は、『水どう』で放送された戦隊ものコントが母体で、大泉洋はじめ『水どう』と同じキャスト、スタッフが関わっています。舞台も札幌市内で、これも強い地元色を感じさせる作品です」
ちなみに「GYAO!」では、配信番組への反響を基に、3月に「第1回ご当地番組大賞」を選出する予定とのこと。自分の故郷の番組を見るもよし、行ったことのない土地の番組を見るもよし。お正月ボケの頭を、リフレッシュできるかも?