「今国会で審議されている『特定秘密保護法案』は、会期中の法案成立はほぼ確実といわれています。世界の民主主義は『情報公開』に向かっているのに、日本はなぜ流れに逆行し情報を閉じる方向に進むのでしょう。国民の知る権利を脅かすこの法案に、私は断固、反対します」

 

こう語るのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。私たちには今から何ができるのか。荻原さんが緊急提言をしてくれた。

 

「この法案の問題は、何が特定秘密なのか、わからないこと。秘密をチェックする第三者機関もありません。官僚が不都合な情報を恣意的に隠すこともできるのです」

 

情報公開までの期間は最長60年で協議中だが、例外が認められているので、何年たっても情報公開されない可能性もある。開示請求しようにも、秘密の存在すら秘密なので手も足も出ないという。荻原さんが反対しているのは、我々の生活に直結する情報が世に出にくくなる可能性があるからだ。

 

「たとえば福島の原発問題。核燃料プール内の詳細な情報は、日本では今も非公開です。ところがアメリカ政府はその情報を持っていて、すでにインターネットで公開しているのです。今でさえ、外国には知らせる情報でも国民には隠す『秘密体質』なのに、法制化されればもっと、正確で詳しい情報が出てこなくなるでしょう」

 

TPP交渉でも必要以上に秘密主義だ。交渉相手国では公開される情報も日本では秘密。関係団体などは交渉相手国から情報を集め中身を推測しているが、これが常態化する可能性があると危惧する。

 

「私は11月15日に福島瑞穂さんや弁護士の藤原真由美さんらと『女性たちは秘密保護法に反対する』という記者会見を開き、反対の声を上げました。与党は過半数の議席を持っていますから、採決になれば法案は可決されるでしょう。それを押し留めることができるとしたら、世論しかありません。一人の声は小さくても、大きな世論に集結できるよう、私はこれからも反対を叫び続けたいと思います」

経済ジャーナリスト
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