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1月16日の「初感染者」発表から、100日が経った新型コロナウイルスとの闘い。はたして、指揮官を務める安倍晋三首相の判断は適切だったのか? 安倍首相の「コロナ対策」を識者が斬るーー。

 

【東京五輪】開催への執着が対応を遅らせた

 

2月17日、厚生労働省は「風邪のような症状、37.5度以上の発熱が4日以上続いた場合」など、PCR検査を受けられる基準を定めたが、これは日本独自のもの。急な発熱から4日を待たず容体が急変した例も報告されている。

 

「あれほどPCR検査を行わなかったのは、東京五輪を控えていたために、患者数を抑制したかったのではないのかと、疑わざるをえません」

 

そう語るのは、医療ガバナンス研究所理事長で内科医の上昌広さんだ。

 

3月24日に五輪の延期が決まると、翌日の25日に小池百合子知事は緊急会見を開き、東京都で初めて“外出自粛要請”を出した。延期決定後から日本のコロナ対策が一気に加速したようにも見える。

 

4月に入ったころから、ようやく政府は方針を転換。4月6日、安倍首相がPCR検査の可能数を2万件に増やすこと、人工呼吸器を1万5,000台以上、病床は5万床を確保する考えも示す。

 

五輪の開催日は’21年7月23日に決まったが、上さんはこの日程に不安を感じている。

 

「終息は、’22年までかかると見る専門家もいます。まだ先が見えていない状況なのです」(上さん)

 

開催を急いだのにはこんな見方も。政治評論家の有馬晴海さんはこう指摘する。

 

「安倍首相の自民党の総裁任期は’21年9月ですので、安倍首相としては、『それ以前の、できるだけ早い時期』にオリンピックを開催したかったはずです」

 

コロナとの闘いが始まって100日。識者の評価は辛辣だが、闘いの終わりはまだまだ見えていない。これからの100日も厳しく見守ろう。

 

「女性自身」2020年5月12・19日合併号 掲載

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