人生ゲームに、男性用カツラ…コロナ禍で売れている意外な商品
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新型コロナウイルスの影響で、わたしたちの消費活動に大きな変化が起こっているーー。

 

コロナに関連する経営破綻は5月19日時点で全国で166件(東京商工リサーチ発表)。外出自粛などの影響を受けて、多くの会社が減収減益を余儀なくされているが、それでもこの状況だからこそ売上げが急伸した商品、また収益が伸びている企業もあるのだ。コロナ禍でも増収増益の主な企業は次のとおり。

 

【ユニ・チャーム】純利益の伸び具合:前年同期比51.3%増(’20年1〜3月期連結決算)

国内でマスクやウエットティッシュの特需が発生したほか、海外で生理用品などの備蓄意識が高まったため

 

【ライオン】純利益の伸び具合:前年同期比3.9%増(’20年1〜3月期連結決算)

ハンドソープやボディソープなどのビューティケア分野の売り上げが前年同期比47.5%増。洗剤も売れた。

 

【日清食品ホールディングス】純利益の伸び具合:前期比51%増(過去最高益)

外出を控え家で過ごす人が増えてカップ麺の売り上げが増加。中国など海外でも同じようにカップ麺が伸びた。

 

【キッコーマン】純利益の伸び具合:前期比2.3%増(過去最高益)

手軽に調理できる具材調味料「うちのごはん」や、つゆ類やたれ類、豆乳飲料などの売り上げが好調だった。

 

【日清製粉グループ】純利益の伸び具合:前期比0.6%増

家庭用小麦粉の需要が増大している(ただし大幅増収の主な要因は、海外の小麦粉事業会社の買収など)。

 

【任天堂】純利益の伸び具合:前期比33.3%増

3月発売『あつまれ どうぶつの森』が1,177万本を記録。Nintendo Switchソフト史上最大の滑り出し。

 

【NEC】純利益の伸び具合:前期比2.5%増(過去最高益)

主因は企業などのIT投資が旺盛だったためだが、在宅勤務の増加でパソコン販売が伸びたこともプラスに。

 

調達・購買業務コンサルタントで未来調達研究所取締役の坂口孝則さんは、コロナ禍で伸びている商品や企業について「第一に、やはり“巣ごもり需要”」と話す。

 

「在宅ワークに必要なパソコンやテレビ会議用のWebカメラが売れています。また、任天堂の『あつまれ どうぶつの森』などのゲームも大ヒットしています」

 

ゲームなどの娯楽品について特定の傾向があると坂口さんは言う。

 

「親御さんが子どもたちと一緒に楽しめるものが売れているんです。『あつまれ どうぶつの森』も、子どもたちだけでなく、お父さん、お母さんもやっています。一見子ども向けのように見えて、親も遊べるものが人気のようですね」

 

親が子ども時代にはやった懐かしいゲームが、コロナ禍で再ブームになっているのも、そういった理由からだろう。おもちゃを製造・販売するタカラトミーによると、ボードゲームのロングセラーである『人生ゲーム』が爆売れしているそうだ。

 

「ECサイトなどよっては4月度の実績が、前年比300%というところも。休業している店舗やエリアもあるため、全体としては前年比140%です。ほかには、『黒ひげ危機一発』も3月の売り上げが前年比180%で推移しています」

 

同様に大人も子どもも遊べるUNOやトランプも、売り上げを伸ばしているアイテムだ。

 

そういった、“親子一緒”“家族一緒”の傾向は“食”にも強く表れている。タイガー魔法瓶の広報担当者によると、ホットプレートが売れているという。

 

「いちばん売れている商品で、4月の前年比約200%です。ホットプレートの市場規模は、近年縮小していたのですが、在宅時間が増えたことで、みなさん、“もう一度家族で食卓を囲もう”という傾向になっているということではないでしょうか」

 

前出の坂口さんによると、主婦に身近なスーパーでも……。

 

「スーパーでいま何が売れているのかというのをデータで見てみると、大きく伸びているのがデザートを簡単につくれる“素”のような商品です。せっかく家にいるんだから、子どもたちと一緒に何かつくろうといった思いから需要が増えているのだと思います」

 

スーパーでは、小麦粉やベーキングパウダー、バニラエッセンスといった製菓の材料になるような商品も売り切れが続出している。坂口さんによると、スーパーで特に伸びている商品はほかに、簡単につくれて日持ちのする「カレー」、また医学的に証明はされていないものの“免疫力を高める食品”というイメージを持っている人が多い「納豆」。そして……。

 

「氷も売れています。在宅ワークになって、朝からお酒を飲むお父さんなんかもけっこういるようですよ。アルコール類全般も伸びていますから。“お酒でも飲まないとやってられない”と思っている人も多いのでしょう」

 

ちなみに、“お父さん”たちには、こんな“意外な商品”も売れているとか……。

 

「男性用のカツラが異常に売れているんです。女性用のカツラや化粧品は需要が減ってきているのになぜだろうと思っていたんですが、ある男性が『ビデオ会議のせいで、自分の顔を見る頻度が人生でいちばん多くなった』と。それで自分が頭を抱えたときの動画を後で見て、自分の頭がこんなに薄かったんだと気付いたというんです。“自分を見る”という行為が男性用カツラの売り上げに寄与しているのではないでしょうか」

 

とはいえ、「消費の中心はやはり主婦」とも坂口さんは言う。

 

「ホットプレートやボードゲームに代表されるように、家族のだんらんが増えてきたことは不幸中の幸いかもしれません。コロナ禍が、家族の復権をもたらしたのは非常に面白い現象だと思いますね」

 

いまだからこその“家族のだんらん”を楽しみながら、また一家そろって外へ遊びに行ける日を待ちたいーー。

 

「女性自身」2020年6月9日号 掲載

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