「スチール製のロッカーや鍵の部分は、ウイルスが付着した場合、24時間以上は死滅しません。ですから、そこに触れると汚染リスクがあるんです。また、更衣室で私も遭遇したこととしては、着替えているときに急にくしゃみをされたことがあります。くしゃみは飛沫が遠くまで飛び、換気されなければ同じ空間に滞留します。そこに気がつかずに次の人が入室すれば、感染してしまう危険性があるんです」

 

前出の筋野院長も言う。

 

「ロッカーは細長いので、隣のロッカーの扉などに触れやすいです。オフィスのデスクであれば、自分のスペースで完結していますが、更衣室では隣のロッカーに触れたり、共用のベンチなどに座ることもあるので注意が必要です」

 

とはいえ、今後の生活で更衣室を使わないという選択は非常に難しい。私たちはどんな感染防止対策をとるべきなのだろう。

 

「まず、利用する時間をずらすこと。皆で野球やサッカーをする際なども、屋外のグラウンドで練習する分には感染リスクは高くないですが、終わって一斉に更衣室に入ることは避けるべきです。密にならないように可能なら1人ずつ入るなどすればより安全でしょう。

 

次に滞在時間を最小限にすることです。更衣室は仕事終わりに雑談することも多い空間だと思いますが、中でしゃべらず、外に出てマスクをしてから話すようにして下さい。マスクを外すこともある更衣室ではなおさら要注意です」

 

高橋教授は都内のクラスターが発生した病院でも更衣室での感染が疑われたことを挙げ、こう語る。

 

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