高齢者や中小店舗を切り捨て…Go To Eatの“不公平”な仕組み
Go Toトラベルも強行した政府。

菅義偉新首相(71)の大号令のもと、新型コロナの感染を予防しながら営業する飲食店を応援する施策「Go To Eatキャンペーン」がいよいよ始まる。

 

今回のキャンペーンには2つの柱がある。(1)各都道府県の商工会議所や商工会が発行するプレミアム付き食事券、(2)オンライン予約によるポイント還元だ。

 

「政府は9月中旬から、まず食事券の発行を33府県で始めます。感染者数がいまだ連日3桁の東京は除外されていますが、すでに開始前からこのキャンペーンの問題点を指摘する声も噴出しています」(全国紙記者)

 

消費者問題研究所の垣田達哉代表は、食事券についての疑問をこう語る。

 

「まだ未発表の内容も多く、食事券の販売方法も各府県で異なっています。香川県では往復はがきで抽選するという方法を発表していますが、窓口販売の場合は、別な問題が生じることが考えられます。販売事業者として商工会議所や旅行代理店、コンビニなどが挙がっていますが、どこで販売するにしても混雑が予測されます。購入時に本人確認が必要になれば、行列ができ“3密”になる可能性も出てきます」

 

もう一つの柱でもある飲食店へのオンライン予約についても“不公平感”が生じかねないという。

 

「そもそもオンライン予約をしたことがない人も多いでしょう。サイトへのアクセス方法すらわからない、サイトがいくつあって、どのようなものがあるかも知らない人もたくさんいます。オンラインに不慣れな高齢者などにはハードルが高い仕組みです」

 

高齢者を切り捨てるかのような予約方法だが、このシステムに困惑するのは利用者だけではない。

 

「街のラーメン店やそば店など、小さな個人経営店や地方の店などは、もともとオンライン予約に対応していないところも多いのではないでしょうか。総じて中小企業や高齢者など、社会的弱者に優しくないシステムだと思います」

 

グルメジャーナリストの東龍さんも言う。

 

「全国の飲食店で、『ぐるなび』や『食べログ』のようなサイトに無料登録している店は多いと思います。しかし、ネット予約のシステムを利用するためにはサイトに追加でお金がとられます。しかも、固定費のほかにランチでは10~100円、ディナーでは50~200円の手数料がとられます。こうした予約システムを使っている飲食店は、私の感覚では全国の飲食店の2割に満たないと思います」

 

また、キャンペーンの対象になる飲食店の感染防止対策が確認できない点も問題だと指摘する。

 

「今回の参加店は業界ガイドラインに基づき、感染対策がとられていることが条件です。しかし、本当に順守しているのか、果たして確認ができるのでしょうか。私は多くの飲食店を食べ歩いていますが、座席を離してクリアシートを張り、従業員もマスクを徹底して、消毒もしっかりしている店があるいっぽうで、ほとんど何も対策していない店もあります。 実態を確認できない以上、感染防止対策にコストをかけ、客数も減らす“真面目にやっている店”が損をする仕組みになっているように思います」(東龍さん)

 

「Go To Eat」には、食事券発行事業者、オンライン飲食予約サイト事業者などへ総額469億円もの委託費がかかっている。東龍さんは続ける。

 

「ゼロからシステムを作っているわけでもないのに、委託費用を払いすぎではないでしょうか。日本全国の飲食店を救うためのキャンペーンであって、大手の事業者をもうけさせる目的ではないはずです。それならば、一つでも多くの飲食店を救うため、委託費を少しでも削減して給付金に回すべきではなかったのでしょうか」

 

「女性自身」2020年9月29日・10月6日合併号 掲載

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