岡田晴恵さん「冬は換気を!」コロナ警鐘鳴らし続ける意味
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「気温が低下して乾燥する冬を目の前にして、長期にわたるコロナ自粛から、国民全体が疲れているような気がします。私も疲れてヘトヘトですし。そんななかでは、どうしても予防対策に緩みも出てきてしまうと思います。そして冬が来たらと思うと……。新型コロナウイルスの流行も、医療の対応もとても心配なんです」

 

取材は10月末。感染が再び広がり始める前だったが、冬に新型コロナウイルスの感染が拡大する懸念を語っていたのは、感染症対策の第一人者としてコロナ禍のメディアにひっぱりだことなっている白鴎大学教育学部教授・岡田晴恵さん。

 

この数カ月、岡田さんのことを扱ったネット上や週刊誌の記事も多く掲載されてきた。さまざまな意見を受けながらも、新型コロナウイルス感染拡大について警鐘を鳴らしてきたが、どういう思いだったのだろう。

 

「やはり感染者を増やしたくなかった、ということです。感染者数が増えてしまうと、必ず高齢者や基礎疾患をもっているような方々に感染が広がってしまう。すると重症になる人が出てしまうし、増えてしまう。それを防ぎたかった。

 

だから、まずは感染者数をなるべく少なくしないといけない。市中感染というのですが、普通の街中で、どこでうつったのかわからないような、感染経路不明の感染者が増えてくると、流行を止めることはかなり難しくなります。そうなると緊急事態宣言の再度発令に成りかねない。それを防ぐには、まずは皆さんに注意をしてもらうように、新型コロナウイルスへの注意喚起を言い続けるしかなかったのです」

 

冬季の感染拡大については、以前から注意喚起を続けてきた。

 

「コロナウイルスには風邪の原因である風邪コロナウイルスが4種ありますが、いずれも冬の季節に流行が起こりやすい。同じコロナウイルスの仲間ですから、新型コロナウイルスも同様と想定した方がいい。ですから、冬に向けて新型コロナの対策や医療を準備する必要があった。“冬に患者が増えて、医療が混乱して”という状況を避けなくてはいけない、という思いがありました。

 

もちろん春にも怖いと思ったときもありましたが、幸い政府の対応が間に合って、海外のような状況はまぬがれることができました。でも、この冬もそうとは限らない。緩みを引き締めたい、もう一度、新型コロナウイルスの注意喚起をしたいと思っています」

 

春のときのことを改めて思い返し、「あの時期に東京がニューヨークのようにならないというエビデンスはまったくなかった」と続ける。

 

「結果的にニューヨークのようにならなくて本当によかった。でも、あの時期に、世界的なウイルス学の先生にメールをいただき、『東京も2週間後にはニューヨークのようになる、だから、今、最大限の注意喚起をする必要がある』と指摘されました。

 

日本が欧米のようにならないで済んだのは、症状がある人も無い人もみんなでマスクをして、みんなで手洗いしたからなのか、小池都知事の強い注意喚起や首相の緊急事態宣言の効力なのか、それらすべてなのかはわかりません。ただ、みんなが注意したことで防げたのもあったかと思います。いまだにファクターXはわかっていませんけれど」

 

11月中旬に新刊を出版したばかり。『まんがで学ぶ!新型コロナ知る知るスクール』(著:岡田晴恵・まんが:山田せいこ/ポプラ社刊)というタイトルで、新型コロナウイルスについて、“熱が出たらどうすれば?”“インフルエンザとどう違う?”など、予防から後遺症までの基本的な知識をまんがで、わかりやすく解説している。

 

「簡単に、シンプルに。とにかくわかりやすく。そう考えて、“まんが”という形式にしました。子供でも大人でも楽しんで読めるように。みなさんストレスが溜まってきているから、簡単に読める本がいいな、と。たとえば、“エアロゾル”と“飛沫”がどう違うのか。そういったことまで、とてもわかりやすく書いています。字ばかりが並んでいるとげんなりしちゃうときがありますよね。そんなときでも見やすい本になっていると思います」

 

“正しい知識を持つことが大切”と強調する。

 

「年末年始は帰省する方もいるんじゃないかと思います。その場合、地方で感染が増えてしまう可能性が出てくるので、予防対策を万全にしてほしいですね。そのためには、新型コロナウイルスについての知識を深めて、その上で予防にあたっていただきたいと思います。夏に通用するレベルの対策でも冬では通用しない。冬はより一層の注意が必要です。冬季は特に換気が大切なので、寒くて窓を開けたりするのがおっくうになりがちですが、心がけていただきたいですね」

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