■「つまんないことを聞くねえ」
「つまんないこと聞くねえ。言われて聞くのかね? 上から言われてるわけ? かわいそうだねえ」(2月28日記者会見)
2月27日に突然決まった「休校要請」。子育て世帯から不安の声があがるなか、保育費用などにかかる臨時の出費を国が負担することが決まった。
だが、記者から「具体的なスキーム(仕組み)はこれから?」と問われた麻生氏は「こちらが最初においくらですよって決めているわけないでしょう」と答えた上で、「つまんないこと……」と言い放ったのだ。
「全額補償されるのか?」「補償範囲はどこまでなのか?」などの不安を抱えた親たちの神経を逆なでするような発言。「いや、休校要請を出す前にスキームくらい決めておけよ」と思った親も多いのではないか。
■「おたくの国とは民度が違う」
「『おたくとうちの国とは国民の民度のレベルが違うんだ』と言って、みんな絶句して黙るんですけれども」(6月4日参議員財政金融委員会)
新型コロナによる死者数が欧米諸国より少ないことについて海外から問い合わせがあるとこう対応していると国会で明かした麻生氏。本当だったとしたら、“あなたの国の民度は日本より低い”と答えているに等しく、とても非礼な発言だ。相手が絶句するのも無理はない。
ちなみに人口あたりのコロナ死者数は、はっきりとわかっていない北朝鮮を除けば、日本が東アジアで最悪。麻生氏理論では東アジアで日本はもっとも民度が低い国ということになりそうだ。
■「お金に困っている方の数は少ない」
「お金に困っている方の数は少ない。ゼロではないですよ。困っておられる方もいらっしゃる。だが、現実問題として(10万円の特別定額給付金で)預金、貯金は増えた」(10月24日自身の政治資金パーティー)
コロナ禍で困窮する国民が多く、緊急性もあったために決まった一律10万円の給付。これで窮地を脱した人も少なくない。おそらく麻生氏は、日本銀行が9月18日に発表した4月~6月期に家計貯蓄が増加したという統計を念頭に発言していたと思われる。確かにこの時点では、給与への影響がなく今後に備えて給付金を貯蓄に回したり、外出自粛で支出が減ったことで貯蓄が増えたりした人も一定数いたのだろう。
だが、多くの企業で給与やボーナスのカット、雇止めや解雇、早期退職の募集が行われていると伝えられているなか、日本の財政をつかさどる財務大臣として、あまりに現実を無視した発言だ。