政府が飲食店に対して導入する新たな新型コロナ対策が物議を醸している。
西村康稔経済再生担当相(58)は7月2日の会見で、飲食店が感染防止策をきちんと講じているか、大手グルメサイトを通じて利用客が報告するシステムを導入することを明らかにした。
各紙によると「食べログ」「ぐるなび」「ホットペッパーグルメ」の3つのグルメサイトを通じて、利用客が店の座席間隔や換気といった感染防止策の度合いをアンケート方式で回答。アンケート結果は政府が都道府県に情報提供し、都道府県は対策が不十分な飲食店に改善を指導する仕組みだという。
グルメサイトをめぐっては昨年に政府が推進した「Go To Eatキャンペーン事業」で、席のみの予約で1品だけ注文しポイントを稼ぐ“トリキの錬金術”が社会問題に発展。システムやポイント還元の条件を見直すこととなった。
■「陰湿」「密告制度」の声も…
以前にも口コミ代行者による“やらせ”などが問題視され、“正当な評価”であるかどうかが疑われていたグルメサイト。「飲食店の努力を評価し、報いるためにも、第三者認証制度の質を担保していく」と述べたという西村氏だが、新たな対策は信頼性が高いものなのだろうか。
「政府は各都道府県に4月以降、飲食店の感染防止策を自治体などが認証する『第三者認証制度』の導入を促していました。多くの自治体では調査員による“見回り調査”が実施されていましたが、次からは個人が調査員となります。そのため利用客によっては、評価に差が出てしまうのではないでしょうか。
グルメサイトに加盟する飲食店は、契約プランの金額によって掲載する情報に差があることも報告されています。また飲食店情報の無断掲載や悪質な口コミを修正・削除したくても、有料会員でないと受け付けてもらえないといった事例も。これまで時短営業や休業要請、酒類提供の制限などに従ってきた飲食店は、現在も苦しい立場にあります。そこへ利用客にチェックさせるといった取り組みは、さらなるプレッシャーを与えることになりかねません」(全国紙記者)
客による口コミを感染防止策に転用しようとする政府に、ネット上では反対を訴える声が巻き起こっている。
《本気なの? 全員が正しい評価をすると思ってるのでしょうか? ちゃんと店舗に行っての評価なのかを見分けるシステムや対策は出来てるのかな?》
《密告制度? 客からのアンケートってどこまで正しさを担保出来るのだろう? ライバル店や客からの嫌がらせを排除出来るの?そもそも店へ行っいる事の証明は? ちょっと気になります》
《なんか客を使った陰湿な飲食店いじめにしか思えんやり方だな》